1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/07(日) 20:51:50.89 :FhmYjF9Do
『闇に飲まれよ!』
テレビからはいつものように元気な声が聞こえてきます。
もちろん、あの独特の言葉を発しているのは、
神崎蘭子さん。
いまもアイドル業界でトップを走り続ける女性。
そして、私の仲間であり、大事な友人でもあります。
2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします:2013/07/07(日) 20:53:30.31 :FhmYjF9Do
テレビでは彼女のデビュー十周年記念ライブをはじめとした様々な映像が流れていきます。
当人や他のタレントさんがそれを見て、いろいろとコメントしていく形ですか。
考えてみれば、彼女とのつきあいももう十年になるんですね。
同じプロデューサーにスカウトされ、デビューして早十年。
物心ついてから、と考えると人生の半分ほどを共に過ごしていることになりますかね。
そんな感慨はともかくとして、いまはテレビの画面を見ながら不景気な顔をしている人の相手をしておきましょうか。
「どうしたんですか、社長。ずいぶんどんよりとした顔してますけど」
本来なら蘭子さんの活躍に顔をほころばせてしかるべき人物に、私は問いかけます。
この事務所の社長であり、私たちのプロデューサーである男性に。
「ん……。いや、これでよかったんだろうか、とな」
「はい?」
思ったよりも深刻な調子で応じられて、私は素っ頓狂な声を上げずにはいられませんでした。
まったく、この可憐な私にこんな声を出させるなんて、相変わらずひどいプロデューサーさんですね。
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