1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:22:59 ID:I774cqIf0
兄「……は?」
妹「だってお母さんが言ってたよ! 最近お兄ちゃんが天狗になってるって!」
兄「……はあ?」
妹「お兄ちゃんは天狗に自由に変身できるんだね! さっすがあ!」スリスリ
兄「あーあー、寄って来るな」グイ
妹「うー」
兄「……それで? なんで俺が天狗になってるのと、俺がお前を攫っていくことが繋がるんだよ」
妹「だってぇ、神隠しの犯人は天狗って、よく言うでしょ!」
兄「……あー」
妹「お兄ちゃんが攫ってくれるなら、私何処にでも行くよ! えへへ!」スリスリ
兄「だから寄ってくるなって」
妹「うー」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:25:37 ID:I774cqIf0
兄「あのなあ、妹」
妹「なあに? 天狗のお兄ちゃん!」
兄「母さんが言う、俺が天狗になってるって言うのは、少し違うんだよ」
妹「へ?」
兄「あくまで天狗みたいになってるだけで、天狗そのものになってる訳じゃない」
妹「……?」
兄「あー駄目だこれ」
妹「よく分からないけど、お兄ちゃんは今、天狗になってるんだよね?」
兄「少し醒めて来たけどな」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:29:32 ID:I774cqIf0
妹「天狗なら問題ないよ! さあ、攫って?」グッ
兄「腕を広げるな」
妹「じゃあ……えいっ」バッ
兄「抱きつくな」
妹「わっ……これ以上しろって……? よ、欲張りだね……でも、天狗らしくて……いいかも」
兄「妹、もう一つ教えてやる」
妹「なあに?」
兄「天狗は女を滅多に攫わない」
妹「な、なんだってー!?」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:33:29 ID:I774cqIf0
兄「現代の天狗は男しか存在して無いと言われている。
彼らが人を攫う理由は様々だが、自分の弟子を作る為というのが多いな」
妹「いきなり饒舌になったね、お兄ちゃん!」
兄「お前が想像しているように、女を攫って嫁にさせるなんてことは、山鬼でも無い限りほぼ無かったんだよ」
妹「ぎ、ぎく……嫁って、そんな」
兄「嫁は言い過ぎたか?」
妹「あ、や、そんなこと……無いけど……」モジモジ
兄「……? ま、そういうことだ」
兄「俺が天狗になってるのは百歩譲って認めるとしても、攫ってもらうのは大人しく諦めるんだな」
妹「うう……そんなあ……」
兄(……まあ、ごくまれーに天狗が女を連れ去る話はあったんだが……)
兄(その理由がなー……)
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:38:54 ID:I774cqIf0
――学校
妹「うえーん、友ちゃあーん……」
妹友「ほんと斬新な発想をするわねえ、あんた」
妹「あーあー……折角お兄ちゃんのお嫁さんになれると思ったんだけどなー……」
妹友「自ら神隠しを望むなんて、普通の人間は……あー、中二くらいの男の子はしてそうだ」
妹「私高校生だもん、分別つくよ!」
妹友「どの口が言うんだどの口が」
妹「えっへん!」
妹友「威張る要素が分からん……ん、そういや、妹?」
妹「んー?」
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:43:44 ID:I774cqIf0
妹友「あんたのお兄ちゃんは……天狗は“全く”女を攫わないって言ってたの?」
妹「え? えーと……ううん。“滅多に”、って言ってた」
妹友「はーん……なるほどねー」
妹「むむ。なあに、友ちゃん?」
妹友「あんたのお兄ちゃんがどのぐらい詳しいか分からないけど、なんとなく切り口がつかめたわよ」
妹「な、なんと! 教えて、友ちゃん!」
妹友「はいはい、そんな急かさないで」ニコニコ
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:48:18 ID:I774cqIf0
妹友「ようするに、その“滅多”を探しに行けばいいのよ」
妹「……?」
妹友「きっとお兄ちゃんはあんたの事を馬鹿にしてるわ。この程度の事を言っておけば納得するだろうって」
妹「してないよぉ、もう!」
妹友「でしょ? だからあんたが頑張って、滅多に無いと言われた天狗の女攫いの話を探すの。本を読んだりしてね。
そして、その話があった事実を、お兄ちゃんにたたきつけるのよ!」
妹「――!! すごい友ちゃん! その手があった!」
妹友「ふふん、どうってことないわ!」
妹「そうと決まれば、放課後にでも本屋に行かないと!」
妹「待ってて、お兄ちゃん!」
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:53:17 ID:I774cqIf0
――本屋
妹「無いかなー、無いかなー」キョロキョロ
妹友「そうねえ。天狗を調べるよりかは……神隠しで調べたほうがいいのかしら」
妹「……あ! 友ちゃん見て見て!」
妹友「どれどれ」
妹「これっ! 天狗のことも神隠しの事も載ってそうだよ!」
妹友「おー、良さそうねえ」
妹「わあっ……じゃ、早速買ってくるね!」タタッ
妹友「え? ちょっと」
妹友「なんつー行動力……本当お兄ちゃんっ子なのねえ」
妹友「まあこれで見直してもらえれば、連れ去るまでとはいかなくとも、少しは仲良くなれるのかしら……?」
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 21:58:16 ID:I774cqIf0
妹「ただいまーっ!」スタスタ
兄「おう、お帰り」
妹「がらがらがら……ぺっ」
妹「えへへ……今に見ててね、お兄ちゃん!」
兄「は?」
妹「なんでもないっ!」スタスタ
兄「……なんだ、いきなり……」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:04:38 ID:I774cqIf0
――自室
妹「とうっ」ボフッ
妹「どきどきするなーっ……早く読もう!」ピラ
妹「河童、天狗、神かくしかー……天狗による神かくしって項目があるね。読んでみよっと」ピラ
妹「……わー、結構いっぱいあるんだなー……」
妹「これなら……一つくらい載ってても、おかしくないよねっ……!」
妹「……」ピラピラ
妹「……! これって……」
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:09:22 ID:I774cqIf0
“オモと言う、色白で肉つきが良い若い嫁さんがいた。
ある冬の吹雪の夜、遅くなってから風呂に入り、上がって腰巻をつけただけで玄関の近くにある便所へ小用を足しに行った。
それっきりオモの姿は忽然と消えてしまった。”
妹「女の人が神隠しに遭ってる話だ!」
妹「ほ、本当に、あったんだ……」ドキドキ
妹「し、しっかりと読まないとっ……!」
“オモは天狗に攫われたのだと言う事になった。
村人の捜索にもかかわらず遂に行方が知れなかった。
天狗が湯上りの半裸体の主に色情し、攫っていったものと思われた。
以来、猛吹雪を「オモ荒れ」と言ったり、
腰巻一つで便所に行くと天狗に攫われる、と言うようになった。”
(松谷みよ子著、「現代民話考1 河童・天狗・神かくし」P404~405より)
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:15:37 ID:I774cqIf0
妹「……うん」
妹「色情って……えっと……つまり……」
妹「え、えっちな気分になっちゃったって……こと?」カアアッ
妹「うう……凄い事を知っちゃったよっ!」
妹「でも……これは確かに女の人が天狗に攫われた話で……」
妹「これをすれば、お兄ちゃんは私に、し、色情して……思わず攫ってしまう!」
妹「そうすれば私は……お兄ちゃんの、お嫁さん……!」
妹「よ、よーし! ちょっぴり恥ずかしいけど、やるぞー! おーっ!」グッ!
兄(なんか階上がうるさい……)
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:21:08 ID:I774cqIf0
――浴室
妹「はあ……」ザバー
妹「もう、一時かー……お父さん達も、寝てるはず……」
妹「決行は、お風呂からあがってから……」ドキドキ
妹「お兄ちゃん、来てくれるかなあ……」
妹「……天狗なんだもん。来て……くれるよね?」
――
妹「腰巻……バスタオルでいっか」グルグル
妹「えへへ……えっちなかっこだなー……」
妹「もし来てくれなかったら……このかっこでお部屋に……」
妹「……よしっ。行くよ……」ガチャ
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:30:07 ID:I774cqIf0
兄「……」ゴロゴロ
兄「……」ゴロゴロ
兄「……ねむれん」
兄「なんでこんな時間にバスルームから音がするんだ……」
兄「……幽霊? まさかな……」
兄「……気になる」
兄「……行ってみるか」スッ
兄「見るだけ……見るだけだ……」スタスタ
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:36:54 ID:I774cqIf0
兄(……? 音が止んだ……?)ピタ
兄(誰か入ってたのか? でも、こんな時間に……)
兄(んー、迷うな……家内だったら戻るべきだが、もし……)
兄(……お風呂お化け、か。はは、日ごろの妖怪マニアっぷりが祟ったな)
兄(まあ一応、声を――)
ガチャ
兄「え」
妹「――!!」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:42:26 ID:I774cqIf0
兄「え……え?」
妹「お、おにい、ちゃ」
兄「お、お前、なんで――」
妹「天狗様ああああああ!」ギュウウッ!
兄「うわあっ!? ば、ばか! なんて声だしてんだ!」
妹「本当に来てくれたんだっ、お兄ちゃん! 大好き!」スリスリ
兄「何訳分からない事言って――くそっ、とりあえず来い!」グイッ!
妹「あっ……!」カアア
妹(お兄ちゃんが、私の手を、強引に……)
妹(本当に……私を攫ってくれるんだ……お兄ちゃんっ……!)
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 22:49:09 ID:I774cqIf0
――兄部屋
兄「……ふう」
妹「お兄ちゃん……ありがと……」
兄「色々と聞きたいことがある……が、まずはなんか着ろ」
妹「え? き、着ない!」
兄「なっ!? 何言ってんだ! じゃあ後ろ向いて話すぞ!」
妹「だ、だめ……しっかり、見てよ……」グイッ!
兄「ちょっ――!」
妹「……どうかな?」カアアッ
兄「……ど、どうって……なんでこんなこと……」
妹「お、お兄ちゃんはっ。私がこんなかっこしてるから、ここに攫ってきたんでしょ……?」
兄「え……」
42: 保守ありがた 2011/08/05 23:14:23 ID:I774cqIf0
妹「私の半裸、見て……色情しちゃったんでしょ?」ススス
兄「よっ、よるな! おい――」
妹「……だって、これ」ギュ
兄「あががががが」
妹「おっきく、なってるよ……天狗のお鼻みたいだね……」サスサス
兄「さ、寒い事言ってんじゃ――っあ、う……!」ビクッ
妹「びくびくしてる……苦しそう……だね?」ツー
兄「な、なぞるなっ、ばか……!」
妹「……わ、私が……すっきり、させたげる……!」カチャカチャ
兄「な――!?」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:21:29 ID:I774cqIf0
ズルッ
妹「ひゃっ!? す、すごっ……!」ビクッ
兄「おい……ほ、本気でやるつもりかよ……?」
妹「だ、だって、色情してる夫の奉仕をするのは、お嫁さんの仕事でしょ……?」ドキドキ
兄「お嫁さんって――っつあ!?」ビクンッ
妹「わ……あっつい、ね」チュウ
兄「うあっ……唇っ……!?」
妹「あ……直接する方が、よかった?」
兄「い、いやそういう訳じゃなくて――」
妹「じゃ……するねっ」ジュルッ
兄「――ッ!?」ビクンッ!
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:29:56 ID:I774cqIf0
妹「ふぁ……じゅるっ……じゅぷ、じゅぷ」グチュグチュ
兄「な、なんだっ……これ……ああっ!」ビクビク
妹「れろ……きもち、いい……?」クチュ
兄「あ、ああ――もう、どうにでもなれ……」
妹「えへっ……ちゅうううっ!」ジュルルルッ!
兄「くうっ!? お、お前っ……こんなの、どこで……」ビクッ
妹「ふぇ……なんのこと……?」チュポチュポ
兄「いや、なんでも――ないぃぃっ!?」ビクンッ!
妹「あ……さきっぽが、弱いんだ……」チュッ
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:35:51 ID:I774cqIf0
兄「やあ……ばいっ、それっ……!!」ビクッビクッ
妹「ん……はっ……ちゅ、ちゅ……」
兄「もう、で、そうっ……!」
妹「出る……? うんっ……だしてっ……私の口にっ……!」ジュルルルッ!
兄「はぁっ、は――でるっ!!」ドクンッ!!
妹「んんんんっ! んっ……!」ギュウッ!
兄「あ、っ……し、しぼら、れっ……!」ドクッ ドクッ
妹「……んー……ん、ふ……」ゴク ゴク
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:42:38 ID:I774cqIf0
妹「――っぷは、あ……ふう……」
兄「はー……はー……」
妹「……気持ちよかった? お兄ちゃん……」スリスリ
兄「ああ――」
ベシッ
妹「痛あっ!?」
兄「いや、お前、いきなり何始めてんだ」
妹「ご、ご奉仕だよ! お嫁さんだもん!」
兄「お前な……攫っただとか、お嫁さんの仕事だとか、さっきから何言ってるんだ?」
妹「あう……何って……」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:47:19 ID:I774cqIf0
妹「――って言う話があって」
兄「……馬鹿なのか? お前は」
妹「ば、馬鹿じゃないよぉ!?」
兄「いや、真性の馬鹿だ……わざわざここまでする必要無いだろ?」
妹「あ、あるよっ。こうでもしなきゃ、お兄ちゃんは攫ってくれないもの!」
兄「ああ、突っ込みが追いつかない……まさか本気で見つけてくるなんて……」
妹「えへへ……お兄ちゃんに攫われるためなら、私、なんでもするよ?」
兄「あー、あー、あー、分かったから。とりあえずもう部屋に戻れ」
妹「ええ!? わ、私の処女は――」
兄「駄目にきまってんだろ!」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/05 23:54:21 ID:I774cqIf0
妹「そんな……私との行為は遊びだったの……? 鬼畜だよぉ……」グスグス
兄「俺が一方的に襲われただけだったんですが」
妹「でもっ……しゃ、射精したってことは……気持ちよかったんだよね?」
兄「う……それは、そうだけど……」
妹「じゃ、じゃあ!」パアァァ
兄「……でも、駄目。実の妹の処女を奪うなんて、兄のしていいことじゃない」
妹「そんな……私は、いつでも……」
兄「いつでもって……」
妹「私はっ、お兄ちゃんの事が――っ!?」
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/06 00:00:08 ID:q/v3jTwW0
兄「……」スッ
妹「……ふ、あ……」カアアアアッ
兄「これで、満足してくれないか」
妹「ずるいよ……こんな、突然キスするなんてっ……!」
兄「これくらいは先手とらないとなあ」ニヤニヤ
妹「ううううう……覚えててよ! またどうにかして、攫わせてみせるんだからっ!」スタスタ バタン!
兄「あ、おい……ったく、もー」
兄「はあ……」
兄「あんな事されて……意識しない訳、ないだろよ……」
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/06 00:02:17 ID:T/byTXMk0
妹「うー……お嫁さん作戦、失敗……」
妹「あんなキスされちゃったら……抵抗できないよ……はあ」
妹「……でも、少し、気持ちよかったな……またやらせてくれるかな……?」
妹「……少しずつ、少しずつ……距離をつめてかなきゃね……鬼畜!」
妹「……鬼畜」
妹「……鬼?」
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2011/08/06 00:03:14 ID:T/byTXMk0
――
妹「お兄ちゃん! 鬼は女を攫っては嫁にして子を孕ませて――」
兄「いい加減にしろ」
終わり
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