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アニメSSまとめ速報

2chのSSまとめブログの記事を集め掲載しています。
アニメSSまとめ速報 TOP  >  ToLOVEる >  リト「ん、なんだコレ?ララの発明品か?」ポチッ

リト「ん、なんだコレ?ララの発明品か?」ポチッ

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 01:03:25 ID:mjXBoFomO

リト「ポチッ?」

リト「……ああっ、しまった!変なボタン押しちまった」

リト「うー、何か外見に変化は……今のところ何も無いみたいだけど」

リト「うーん、悩んでても仕方ないか。着替えて下に降りよう」パサッ



モモ「あ、リトさん!おはようございます♪」

リト「おはよう」

ララ「………」

リト「ん、ララどうした?俺の顔に何かついてるか?」

ララ「………」プイッ

リト「?」

リト(なんだ?ララの奴まるで嫌なモノでも見るような目をしてたな。あんな目で見られたのは初めてだ)

リト「なぁ美柑、何か運ぶのあるか?」

美柑「あ、うん。これ焼けたら運んでくれる?」ジュー

リト「ああ、わかった」
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 01:17:16 ID:mjXBoFomO

~次の日~

ガチャ

リト「ふわぁ~おはよう」

ララ「………」プイッ

リト「………」

リト(ララの奴、昨日から何なんだ?一度も話し掛けて来なかったし、呼びかけても反応無いし)
セリーヌ「まうー!」トテトテトテ

ナナ「こらぁっ、セリーヌ待て~!……わぷっ」ドン

リト「あ、ごめん」

ナナ「いたた…ったく、こんな所でボーッと突っ立ってるなよな!こらっ、セリーヌー!」

モモ「くすっ、ナナったら朝から落ち着きがないんだから」スッ

リト「お、モモおはよう。花に水やってくれてたのか、ありがとな」

モモ「………」プイッ

リト「ん?」

モモ「美柑さ~ん、何かお手伝いする事はありませんかー?」タッタッタ

リト「モモ……?」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 01:32:42 ID:mjXBoFomO

~さらに次の日~

ガチャ

リト「おはよ~」

ナナ「よっ、今日はいつもよりちょっと早起き……ぷっ、あはははは」

リト「え、いきなりなんだよ!人の顔見るなり笑い出すなんて」

ナナ「あっはははは!何だよその寝癖は~!ほら、みんなも見てみろよ」

ララ・モモ「………」プイッ

ナナ「ん?」

リト「………」

美柑「ごめーんモモさん、食器運んでくれる?」

リト「あ、俺が運ぶよ!」

美柑「………」プイッ

リト「え…美柑?」

ナナ「おいおいリト、この3人にまた何かしたのか?なんだか様子が変だ」ヒソヒソ

リト「いや、何もしてないと思うんだけど……俺、みんなに何かしちゃったかなぁ」ヒソヒソ


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 01:50:17 ID:mjXBoFomO

~学校~

リト「うぅ…」ズーン

古手川「ねえ結城くん」

リト「あ、古手川…」

古手川「なんだか今日はずっと浮かない顔をしてるみたいだけれど、どうかしたの?」

リト「………」

古手川「最近ララさんと一緒にいる所を見ないけれど、それと関係があるの?」

リト「……やっぱりそう見えるか?」

古手川「ええ、ずっと見てたから」

リト「ずっと見てた?」

古手川「あっ…か、勘違いしないでよね!あくまで監視の意味でって事なんだから!」

リト「そんなに怒らなくたってわかってるよ」

古手川「…もう。一昨日くらいからかしら?ララさん、四六時中あなたにべったりだったのに話してる所さえ見なかったわね」

リト「……やっぱ変だよな。一昨日くらいからみんなの様子がおかしいんだ」

リト「話……聞いてくれるか?」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:04:40 ID:mjXBoFomO

----------

古手川「そう、お家でもそんな事が…」

リト「今朝からは美柑の様子が変なんだ。話し掛けてもずっと無視されるし、こんな事は初めてなんだ…」

古手川「美柑ちゃんまで…」

リト「本当に心当たりが無いんだよ。俺、何かしちゃったのかなぁ」

古手川「…ら、ララさんとモモさんはともかく、美柑ちゃんは反抗期に入っただけじゃないかしら?」

リト「それだけならいいんだけどな。美柑の奴、俺にだけ冷たいんだ…」

古手川「結城くん…」

古手川(こんな元気の無い結城は初めて見るわ…。どうしよう、何とかしてあげたいけど、原因がわからないとどうしようもないわね)



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:10:42 ID:BF7uZ/NA0

古手川に嫌われたら死にたい


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:12:52 ID:y9QC266s0

美柑に嫌われた時点で生きる意味ない



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:24:02 ID:mjXBoFomO

~夜~

リト「………なぁ美柑、俺の分は?」

美柑「………」

ナナ「あ、あたしが入れてきてやるよ!」

リト「ナナごめん」

リト「…俺、みんなに何かしちゃったか?自分でもわからないんだ。何かしちゃったのなら謝るからさ」

美柑・ララ・モモ「………」

リト「ララもモモも、何か話して--」

ララ「美柑、今日のカレースッゴく美味しいね~♪」

美柑「そう?ララさんありがとう。モモさんと二人で作ったんだけど、モモさんの入れてくれた隠し味がよかったのかな?」

モモ「ふふっ、ちょっと宇宙でも珍しいローリエだったんですけど、地球の食材とは特に相性がよかったみたいですね♪」

リト「………」

ナナ「はい、お待たせ」カチャ

リト「ナナ、ありがとう…」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:35:37 ID:mjXBoFomO

ナナ「なぁに、これくらいいいって事よ!」

リト「ありがとう…」

ナナ「………」

ナナ「なぁ、なんだかみんな変じゃないか?どうしてリトに冷たくするんだ?」

リト「ナナ…」

ナナ「おいっ、答えろよモモ!リトが何かしたのか?」

モモ「ナナ、急に何?」

ナナ「何?じゃないだろ!こんなの普通じゃないって!姉上も美柑も……リトが可哀相だろ!」

美柑「私たちが何かした?」

ララ「ナナ、今日のナナだって何か変だよ~?カレー美味しいよ?ナナも早く座って食べようよ♪」

ナナ「姉上っ!」

リト「ナナ…いいから」

ナナ「でもっ…!」

リト「大丈夫。ありがとうナナ。俺、あっちのソファーの方で食べてくるから」スッ

ナナ「リト…」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 02:48:23 ID:Ev0eJRXQ0

ナナちゃんマジ天使



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 03:00:29 ID:mjXBoFomO

~次の日の夜~

美柑「あっ、もうダメだよぉヤミさん!鯛焼きはお味噌汁に入れるんじゃなくて、食後のデザートにしようよ」

ヤミ「そうですか?美味しくなると思ったのですが」

モモ「ふふっ、こうして見てると、お二人は仲の良い姉妹に見えますよ♪」

美柑「えっ、そうかな?あはは、なんか嬉しいかも。ヤミさんがお姉ちゃんかぁ」

ヤミ「美柑、私も美柑が本当の妹だったらとても嬉しいです。家族……私には縁のなかったモノですから」

美柑「えへへ~♪ヤミお姉ちゃん♪」ピトッ

ヤミ「んっ……美柑」ナデナデ

ララ「ごっはん♪ごっはん♪楽しみだね~♪」

セリーヌ「まうー♪」

ナナ「おっ、今日はから揚げなのか!旨そうだな~!いただきぃ!」パクッ

モモ「こらナナ、つまみ食いなんてお行儀が悪いですよ?」

ナナ「固いこと言うなって。ん~もぐもぐ……旨い!」

リト「………」

リト「コンビニ行ってくる……」スッ


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 03:16:36 ID:mjXBoFomO

~学校~

リト「西連寺、お静ちゃん、おはよう…!」

お静「……春菜さん、何やら不穏な気配を感じます」

春菜「や~ん、お静ちゃん朝から怖い事言わないでよぅ」

籾岡「は~るなっ♪おっ、今日もいい揉み心地~♪」モミモミ

春菜「やっ…もう、リサやめてよ~!」

沢田「あっ、猿山の奴がエロい目で見てる!やっらしぃ~!行こ行こっ!」

猿山「何だよ、見るだけならタダなんだからケチ臭いこと言うなよなー」

籾岡「寄るなっ!このヘンタイ」シッシッ

猿山「なんだってんだよ…ったく」ドン

リト「………っ」ドタッ

猿山「………あ、悪い」スタスタスタ

リト「………」

キーンコーンカーンコーン

リト「………あ、教室行かなきゃ」トボトボ



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 03:19:57 ID:sjlSz28K0

古手川はどうなった?



130: 保守さんくす 2013/08/24 15:00:03 ID:mjXBoFomO

~古手川宅~

古手川「ん……36度8分かぁ。大分熱も下がったし、明日こそは学校行けるわよね」

古手川(はぁ、こんな時に風邪を引いてしまうだなんて…)

古手川(結城くん、大丈夫かしら?元気になってくれてたらいいんだけれど)

コンコン…ガチャ

遊「お~い唯、メシ持ってきたぞ」

古手川「あ、お兄ちゃん。ありがと」

遊「熱は下がったんか?」

古手川「うん。もう36度8分まで下がってるし、明日には学校行けると思う」

遊「そか。でも油断しないで今は治す事だけを考えろよな。でないと例の結城とやらも心配するからな!」ニヤリ

古手川「なっ!ゆ、結城くんは関係ないでしょ!…変な事言わないでよお兄ちゃん」

遊「ははっ、そう怒んなって。なぁ唯、もし結城がお見舞いに来てくれたらどうする?」

古手川「へっ…?結城くんがお見舞いに?そ、そんな事ある訳ないじゃない」

遊「ある訳ないって…んな事言うなよ~。前に一度来てくれたろ?…で、実際どうなんだ?あいつが見舞いに来たら嬉しいか?」


136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 15:11:54 ID:mjXBoFomO

古手川「それは………う、嬉しいに決まってるじゃない。心配してお見舞いに来てくれるんだから」

遊「くふふ、そっかそっか。やっぱりそうだよな~」

古手川「もう、何よ!お見舞いに来てもらって嫌に思う方が変じゃない!」

遊「わかってるわかってるって。んじゃ、それしっかり食って、栄養摂れよ?心の栄養も一緒にな!」バタン

古手川「……変な事言わないでよ、もう。心の栄養も一緒にって、何が言いたいのかサッパリだわ」

古手川(結城くんがお見舞い…かぁ)

古手川「………そんな嬉しい事ある訳ないのに」フフ

コンコン

古手川「お兄ちゃん?どうしたの?」

『あの、俺…結城だけど』

古手川「へっ、ゆ、ゆゆ結城くん?!」

『お見舞いに来たんだけど…入っても大丈夫かな?』

古手川「えっ、お見舞いに?どど、どうぞ!」

ガチャ

リト「……お邪魔します」


140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 15:24:11 ID:mjXBoFomO

古手川「………」ドキドキ

リト「体調はどう?」

古手川(結城くんが私の部屋に…)ドキドキ

リト「古手川?」

古手川「は、はいっ!」ビクッ

リト「……やっぱり、迷惑だったよな。ごめん」

古手川「め、迷惑だなんて、そんな事ないわよ!…う、嬉しいわよ。わざわざお見舞いに来てくれて…ありがと」

リト「そっか。よかった。ほんとに…よかった」

古手川「結城くん…?」


----------

古手川「………」

リト「なんかごめんな、おかげでお見舞いに来たこっちが元気になったよ」

古手川「そ、そんな事…。私だって、お見舞いに来てもらって嬉しかったわ。ありがと」


144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 15:37:52 ID:mjXBoFomO

リト「ん…。あの…さ、古手川……また、お邪魔してもいいかな?」

古手川「えっ」

リト「迷惑じゃなかったらでいいんだけど、だめかな?」

古手川「だっ、だめじゃない!」

リト「わっ…」ビクッ

古手川「あ、ごめんなさい。…別に、だめなんかじゃないわよ。結城くんさえよければ、いつでも来てくれていいから…!」

リト「そっか…ありがとな。今の俺には、古手川しかいないから…」

古手川「えっ」ドキ

リト「いや、なんでもない。…こんな時間だし、俺ももうそろそろ帰るわ。誰も心配なんかしてないだろうけど」ハハ

古手川「結城くん…」

リト「古手川、今日はありがとな。それと、早く元気になるといいな。それじゃ、おやすみ」バタン

古手川「………結城くん」

古手川「私が…結城くんの支えになってあげなくちゃ」


151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 15:50:22 ID:mjXBoFomO

キーンコーンカーンコーン

古手川「結城くん」

リト「ああ古手川、どうしたんだ?」

古手川「ちょっと来てくれる?」


古手川「はいコレ」スッ

リト「これって…弁当?俺に?」

古手川「最近は朝も昼も夜も毎日コンビニのお弁当ばかりなんでしょ?そんなんじゃ栄養も偏ると思って…」

リト「もしかして古手川の手作り?」

古手川「そ、そうだけど。……あの、迷惑だった?」

リト「………くすっ」

古手川「ちょ…どうして笑うのよ!こっちは真剣にあなたの事を心配して--」

リト「迷惑なはずないって」

古手川「え…」

リト「すっげえ嬉しいよ!ありがとな、古手川!」


168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 16:13:51 ID:mjXBoFomO

古手川「~~♪」

古手川(明日は何を作ろうかしら♪)

リト『すっげぇ旨い!毎日でも食べたいくらいだよ』

古手川『もう、そんなに慌てて食べなくてもお弁当は逃げないわよ。ああ~もう、ほらお茶飲んで!』

リト『…ぷはぁ、さんきゅ!でもほんとにすげえ旨いよ。古手川って料理も出来たんだな!このから揚げなんか美柑とはまた違った味付けで……美柑……』

古手川『ゆ、結城くん!私なんかの手作りでよければ明日も作って来てあげる!』

リト『え、いいのか?でもやっぱり悪いよ』

古手川『遠慮なんてしなくていいわよ。なんだったら毎日でも作って来るから!』

リト『……ほんとか?じゃあお願いしてもいい…かな?』

古手川『ええ、もちろん!…ただ、味の保障はできないけどね!』

リト『古手川…ありがとう。ほんとにありがとう』

古手川「………」

古手川「結城くん、喜んでくれてたなぁ………ふふっ」

古手川(……大丈夫、私があなたを一人にはしないから)


174: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 16:37:11 ID:mjXBoFomO

ピンポーン

古手川「………」

『はーい』

古手川「あのっ、古手川です」

『お、コテガワか?ちょっと待っててくれよな♪』ガチャリ

古手川(ナナちゃん…インターホン越しだといつものナナちゃんみたいだけど)

ガチャ

ナナ「おーっす!なんかコテガワが来るなんて珍しいな、どうしたんだ?」

古手川「ええ、ちょっとみんなに聞きたい事があって…」

ナナ「んー、なんかよくわからないけど…とりあえず上がれよ」

古手川「ええ。お邪魔します」


モモ「あら、古手川さん!こんばんは♪」

美柑「古手川さんいらっしゃーい!」

古手川「こんばんは。お邪魔します…」


183: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 16:55:01 ID:mjXBoFomO

モモ「あら、古手川さん!こんばんは♪」

美柑「古手川さんいらっしゃーい!」

古手川「こんばんは。お邪魔します…」

ナナ「で、今日はどうしたんだ?」

古手川「………」

ナナ「?」

古手川「その…結城くんの事なんだけど」

ナナ「はは~ん、さてはまたハレンチな事されたな?それで懲らしめに来たんだろ?どうだ!」

美柑「兄がどうかしたんですか?」

古手川「……結城くんがどうかしたというより、あなたたちがどうかしてるんじゃないの?」

美柑「えっ?」

ナナ「おいおい、急にどうしたんだよコテガワ!」

古手川「とぼけるの?結城くんをあんなに傷付けて…私知ってるんだから!」

モモ「古手川さん、一旦落ち着いて下さい!どういう事なのか説明して頂けませんか?」

古手川「説明も何も、あなたたち全員、自分の胸に手を当てて聞いてみたらいいじゃない!」


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 17:08:06 ID:mjXBoFomO

ナナ「なんだよ…リトと何か関係があるのか?」

古手川「あるから言ってるんでしょう?いいわ、結城くんがされた事を全部話してあげる」



美柑「そんな…私そんな事してません!」

ナナ「あいつの勘違いなんじゃねえの?なぁセリーヌ」

セリーヌ「まうー!」

古手川「美柑ちゃん、結城くんのご飯は作ってあげてる?」

美柑「そんなの当たり前です!ちゃんと毎日リトの好きな物を中心に」

古手川「なら聞くけど、結城くんはいつも何処で食事しているのかしら?」

ナナ「そんなのあたしらと毎日………あれ?」

古手川「結城くんの洗濯物は?自分で洗って干してるって言ってたわ」

美柑「っ……そんなはず……………」

古手川「何かしちゃったなら謝る、話を聞いてくれないかって……何度頼んでも聞いてくれないって悲しい顔して言ってたのよ」


201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 17:36:50 ID:mjXBoFomO

ナナ「そんな事言われたって、あたしは…」

モモ「………」

美柑「………」

古手川「やっぱりみんな心当たりがあるんでしょう?」

美柑「私は兄に……リトにそんな事してません!…自分のお兄ちゃんが傷付くような事、するはずがありません!」

古手川「……美柑ちゃん、私だって認めたくないわ。あなたたちがほんとはすごく仲の良い兄妹だって知ってるし、あなたのお兄さんを大切に思う気持ちもわかる。私だって兄がいるんだもの」

古手川「…けど、結城くんはすごく傷付いている。これは事実なの」

モモ「あの…失礼ですけど、古手川さんの勘違いという事はありませんか?」

古手川「私は結城くんの学校での様子は知っているけれど、以前の結城くんからは想像も出来ないくらい酷い扱いをみんなから受けているわ」

古手川「私以外のみんな…ララさん含めたクラスの誰一人でさえ、結城くんの存在を認めようとしないのよ。こんな酷い事ってある?」

モモ「お姉様まで?まさか、そんな…」

古手川「実際に結城くんが無視されて傷付いてる姿だって見てるし、もちろん私も抗議しているわ。でも私が何を言ってもみんな今のあなたたちと同じ事を言うばかり」

古手川「そんな結城くんが言うの。こんなの家で無視されてるからもう慣れっこだって。まだ学校にいる方が居心地がいいくらいだって。家に…帰りたくないって」


207: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 17:56:14 ID:mjXBoFomO

美柑「…っ!」ポロ

ナナ「いや、だってあいつの家はココだろ?帰りたくないってどういう事なんだよ!」

モモ「……信じたくないけれど、私達がリトさんに酷い事をしてるって事になりますね。それも家にいるくらいなら学校にいた方がマシだと思えるくらいに酷い事を」

美柑「そんな……リトぉ」ポロポロ

古手川「だから直接あなたたちに話を聞くために来たのだけれど、聞いた感じだとあなたたちが結城くんを嫌ってる風にも見えないし…」

モモ「まさか!私達がリトさんを嫌うだなんてありえないません。こんなにもお慕いしていますのに…」

美柑「私だって!リトの事、ほんとに大切に思ってる!」

セリーヌ「まうー!」

ナナ「…あたしだって、あいつの事はまぁ嫌いって訳じゃないし。あ、だからって好きって訳でもないぞ!勘違いするなよな!」

古手川「……ますますわからないわね。それで結城くんは今何処にいるの?自分の部屋?」

美柑「今日はまだ帰ってきてないですけど…」

ガチャ

美柑「リト…?!」ガタッ


225: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 18:15:31 ID:mjXBoFomO

ララ「たっだいま~♪おお、唯だぁ~!唯、いらっしゃ~い♪」

美柑「あ………ララさんお帰りなさい」

古手川「ララさん、こんばんは。お邪魔しているわ」

ララ「ゆっくりしてってね~♪今日はなんの用事かな~?遊びに来たの?」

古手川「ちょっと大事な話があって来たのだけれど…」

ララ「えーっ、なになに大事な話ー?私も聞きた~い♪」

ナナ「なぁ姉上、リトの奴知らないか?」

ララ「え、リト?知らないよ~。………あれ、でもそう言えばさっきリトとすれ違ったような…」

ナナ「すれ違ったようなって…どっちなんだよ姉上!」

ララ「う~んどっちだったかなぁ…ペケは覚えてる?」

ペケ「はて、どうでしょうか。確かにリト殿とはすれ違ったようなすれ違わなかったような…」

ナナ「もー、どっちなんだよハッキリしろー!」

ペケ「あ、思い出しました!確かリト殿は今日もパパ殿の手伝いに行って、そのままご飯も食べてくるとおっしゃってました」

美柑「お父さんの所?!」

ララ「あー、うんうん!確かにそんな事言ってたねー!」


237: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/24 18:39:39 ID:mjXBoFomO

古手川「ララさん、どうしてそんな事も覚えていなかったのかしら?ついさっきの話でしょう?」

ララ「あれ~、なんでだろう?ごめんねー唯、自分でもよくわかんないや」

美柑「とにかく今はお父さんの所にいるんだよね?ちょっと電話してみる!」

----------

ナナ「美柑、どうだった?」

美柑「そんな…今日はリト来てないって!それに最近はご飯前には帰ってたって……どうしよう」

古手川「っ!私、結城くんを捜してくる!」ダッ

ララ「あ、唯待ってよ~!私もリト捜して来るね!」ビュー

美柑「わ、私もっ!」

モモ「美柑さん、待って下さい。ただ闇雲に捜したってきっと見つかりません」

美柑「でもっ…、お父さんの所にもいないって言うし、じっとなんてしてられないよ~!」

ナナ「ったく、リトの奴みんなに心配かけやがって。あたしも捜してくるよ!」

モモ「待ちなさいナナ」

ナナ「なんでだよ、私は空飛べるんだし、ここでただじっとしてるよりは姉上達みたいに捜しに行った方がいいだろ!」

モモ「ええ、確かにそうね。……けどだからこそ、ナナにはちょっと眠ってて貰おうかしら。それと美柑さんも…ね」クスッ


530: 保守さんくす 2013/08/25 11:53:44 ID:icObm1tGO

~公園~

古手川「ぜぇ…はぁ…………結城くん!」

リト「あれ、古手川…?」

古手川「はぁ……もうっ、こんな所にいて!心配するじゃない」

リト「………そっか、心配してくれてたんだな。俺なんかの心配を」

古手川「そんなの…当たり前じゃない!お父さんの所へ手伝いに行くんじゃなかったの?」

リト「……ララから聞いたのか」

古手川「ええ。どうしてこんな所にいるの?」

リト「……頼んでもないのに毎日毎日手伝いに来るなんて不思議に思うだろ?親父そういうのに結構敏感でさ、心配かけたくなかったんだ」

リト「まさか家のみんなと喧嘩?……とは違うか。家でも孤立して、ご飯の用意もして貰えない」

リト「なんとか貯めてたお金で繋いで来たけど、その貯金も尽きたしお金くれ~なんて情けない話もできっこないしさ。これからどうしよう~って悩んでたトコ」ハハ

古手川「結城くん…」

リト「でもそっか。やっぱりララには俺の声が聞こえてたんだな」

古手川「えっ?」

リト「いつも通り反応が無かったから、俺の声は聞こえてないのか、聞く気が無いかのどっちかだと思ってた。聞こえはしてたみたいだから、やっぱり元々聞く気が無かったって事だよな」


536: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 12:10:50 ID:icObm1tGO

古手川「そんな事……お家のみんなも心配していたわ。もちろんララさんも」

リト「みんなが心配?はは、まさかっ……」

古手川「本当よ。みんな結城くんの事を心配してたし、美柑ちゃんだって…」

リト「美柑……」

古手川「結城くんの事を大切に思ってるって言ってたのよ?だからきっと大丈夫。……結城くん、一度結城くんのお家へ戻りましょう?」

リト「………」

古手川「ね?ほら、行きましょう!」グイッ

リト「………無理だよ」

古手川「どうして?本当に心配していたのよ?」

リト「…怖いんだよ。これ以上あいつらから拒絶される事が怖いんだ」

リト「あんなに本当の家族みたいに仲良くやってきたのに…なのに、もうこれ以上あんな冷たい眼で見られるのは嫌なんだ!」


541: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 12:27:16 ID:icObm1tGO

古手川「………」

リト「笑えよ、古手川」

古手川「どうして?」

リト「だってこんなにみっともない男、他にいないだろ?家族に嫌われる理由もわからなくて、拒絶される事から逃げ続ける情けない奴だって…笑ってくれよ」

古手川「………」

古手川「ふふっ…」

リト「っ……」

古手川「ほんと、バカな人ね」ギュウ

リト「え、こて…がわ?」

古手川「大丈夫。私だけは絶対にあなたを拒絶したりなんかしないわ。あなたは一人なんかじゃない」

古手川「私がついてるから。私を信じて。きっと大丈夫だから…だから、一緒にお家へ帰りましょう。ね?」ニコッ

リト「………」

リト「ああ………ありがとう、古手川」ギュウ


544: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 12:40:25 ID:icObm1tGO

~結城家~

リト「………」

古手川「さ、行きましょう?」ギュ

リト「ああ…!」ギュ

ガチャ

リト「ただいま…」

モモ「あ、おかえりなさい!」


モモ「古手川さんっ♪」

リト「っ!?」ビクッ

古手川(……大丈夫、逃げないで)ギュ

リト「………っ」ギュ

古手川「ただいまモモちゃん。ちゃんと結城くん見つけて来たわ。何処に居たと思う?」

モモ「さぁ、何処なんですか?」

古手川「ここから一番近くの公園に半球の隠れ家みたいな所あるでしょ?あの穴の中にいたの。もう捜すの大変だったんだから」


552: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 12:55:05 ID:icObm1tGO

モモ「まぁ、それはそれはお疲れ様でした♪」

古手川「ほんと、手の掛かる人で困っちゃうわよね」ニコッ

リト「は、ははっ…ごめん」

古手川「あら?美柑ちゃんとナナちゃん、それにセリーヌちゃんは?ララさんもまだ戻って来てないの?」

モモ「お姉様はまだお戻りになりませんね~。ナナとセリーヌさんは眠っちゃってます。美柑さんは、お夕飯を作ってくれてますよ♪」

古手川「そう」

美柑「モモさ~ん、みんな帰って来たー?」

リト「美柑…」

モモ「ええ、あとはお姉様だけですけど……あ、直ぐに戻って来られるそうです」ポチポチ

美柑「そっか。じゃあもうご飯できるから、ナナさん達も起こしちゃってくれる?」

モモ「は~い♪」

リト「………なぁ、古手川」

古手川「…大丈夫だから」ギュ

リト「…うん」ギュ


557: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:15:30 ID:icObm1tGO

----------

ナナ「あー、腹減ったなぁセリーヌ」

セリーヌ「まーう!」

モモ「はーい、今日は美柑さんの特製から揚げですよ~♪」ゴトッ

ナナ「おお、今日のもまた旨そうだな!」

セリーヌ「まうま~う♪」

古手川「結城くん、から揚げですって。よかったわね!」

リト「あ、ああ」

モモ「………古手川さん、ちょっとよろしいですか?」

古手川「モモちゃん、どうしたの?」

モモ「さっきからずっと疑問に思ってたんですけど…」



モモ「そのユウキクンって、誰の事なんですか?」チラッ

リト「っ!?」ビクッ



558: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:16:02 ID:uzki+wH50

え?



567: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:30:33 ID:icObm1tGO

ナナ「あー、あたしもそれ気になってた。誰なんだ?そのユウキクンって奴」

リト「……っ…!」

古手川「結城くんは美柑ちゃんのお兄さんよ」

美柑「え?やだなぁ古手川さん。……私にお兄ちゃんなんていませんよぉ」

リト「っ…!!?」ズキッ

リト「………あの…こ、こて…こてが--」

古手川「結城くんはね」




古手川「臆病者で情けなくって、その上騙されやすいみっともない人の事よ」クスクス

リト「」ガタッ

スタスタスタ…

バタン


578: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:45:34 ID:icObm1tGO

----------

モモ「ふぅ、まぁこんな感じですかね~♪」

古手川・美柑・ナナ・セリーヌ「………」

モモ「最後の古手川さん、アレは聞いているだけで辛くなっちゃいました。ごめんなさいリトさん」

モモ「でももうこれで試練も終わりですから♪」ポチッ

ナナ「…ん?あたし何やってたんだ?お、から揚げだ~!」

セリーヌ「まーう♪」

美柑「ん……あれ?私、から揚げなんていつ作ったっけ?おかしいなぁ全然覚えてない」

古手川「………」

モモ「みなさん、お疲れ様でした♪お姉様にもリトさんを連れて来てもらうよう連絡しなくっちゃ」ピポパ

古手川「あの、モモちゃん…」

モモ「はい?なんでしょうか古手川さん」

古手川「結城くんはどこにいるの…?」



581: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:50:17 ID:jK8e6Ovs0

つまり、どういうことだってばよ



585: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 13:59:58 ID:icObm1tGO

モモ「リトさんですか?リトさんは家出中です♪…まぁ、すぐにお姉様が連れてきてくれるんですけど」

古手川「家出…………結城くんっ!」ダッ

モモ「あら~行ってしまいました」

セリーヌ「まうまう♪」

ナナ「ん?セリーヌ、何で遊んでんだ?」

モモ「あ、それは『うらぎりブルータスくん』ですわ♪」

ナナ「うらぎりブルータスくん?」

モモ「お姉様が開発していたゲームを私がちょっと改造して作ったのよ♪」

ナナ「へー」


589: すまん書き溜めてるけど追い付きそうやねん 2013/08/25 14:16:01 ID:icObm1tGO

モモ(リトさんの絶望する顔…ゾクゾクしてしまいましたわ。さすがに良心が痛んだけれど、これもリトさんを次期デビルーク王として認めてもらう為にも必要な事)

ナナ「あれ、なんだこのSっての…」

モモ「あ、それはリトさんへの試練……えっ?S…?」

ナナ「ああ。ほら、これってSだろ?」

モモ「っ!?」ガタッ

美柑「モモさん…?」

モモ「…っ」ダッ

ナナ「あ、おい……行っちまった」

セリーヌ「まう?」

美柑「なんか……なんかすごく嫌な予感がする……」

美柑(リト……あれ、なんでリトの事が心配になるんだろう)

モモ「……くっ」ピューン

モモ(リトさん…っ!)


596: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 14:32:02 ID:icObm1tGO

リト「………」トボトボ

古手川『大丈夫。私だけは絶対にあなたを拒絶したりなんかしないわ。あなたは一人なんかじゃない』

リト「………」

古手川『私がついてるから。私を信じて?きっと大丈夫だから…だから、一緒にお家へ帰りましょう。ね?』

リト「………」

リト「あれ、ここどこだ?……ま、そんな事はどうでもいいか」

ヤミ「結城リト」

リト「ヤミ…」

ヤミ「こんな所で何をしているのですか?」

リト「………」

ヤミ「結城リト、殺し屋の私を無視するとはいい度胸ですね。いつでも死ぬ覚悟は出来ている……という事ですね?」

リト「………」

ヤミ「結城リト?どうしたんですか?今日のあなたはいつものあなたとはどこか違います」

リト「………」スッ

ヤミ「!」


604: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 14:58:15 ID:icObm1tGO

リト「………」トボトボ

ガシッ

リト「………なんだよ」

ヤミ「無視をしないで下さい」

リト「………」

ヤミ「今すぐ殺しますよ?」キラン
リト「………いいよ」

ヤミ「?!」

リト「どうした?殺してくれよ」

ヤミ「結城リト……どうしてしまったのですか?」

リト「どうもしないよ」

ヤミ「いいえ、以前のあなたなら殺して欲しいなどと、自分から言うはずはありませんから」

リト「…もう、以前の俺がどうとかはどうでもいいんだよ」

ヤミ「美柑やプリンセス達はどうなるのですか?あなたが死んだらきっと悲しみます。今、私の目の前にいるあなたを見たとしても同じように悲しむと思いますが」

リト「もう…全部いいんだ。お前に殺されるのもいいかもしれない」


609: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 15:12:02 ID:icObm1tGO

ヤミ「……死ぬのが怖くないんですか?」

リト「このまま生きていく方が怖いよ」

ヤミ「何があなたをここまで追い詰めているのですか?教えて下さい」

リト「それを知ったところで何も変わらないよ。どうせ俺は裏切られるに決まっているんだ」

ヤミ「……本当におかしくなってしまったみたいですね、結城リト」

リト「信じてた最後の一人にまで裏切られた。こんな気持ち…ヤミ、お前にわかるか?」

ヤミ「………」

リト「わかりっこないよな。周りに味方なんていない。俺は一人ぼっちなんだ」

ヤミ「……後悔しませんか?」

リト「ああ。頼む……これ以上苦しむくらいなら、早く楽になりたい」

ヤミ「………わかりました」バサッ


616: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 15:23:16 ID:icObm1tGO

~とある超高層ビルの屋上~

ヤミ「さあ、着きました」

リト「………」

ヤミ「ここから飛び降りれば、一瞬で楽になれます」

リト「………そうだな」ジャリ

ヤミ「…っ!?結城リト!」

リト「ん?」

ヤミ「本当に、死ぬのが怖くないのですか?」

リト「………」

ヤミ「あなたは私のターゲット。……いつかは死ぬ運命にあります」

リト「………」

ヤミ「ですが、私は今あなたには死んで欲しくありません」

リト「………」

ヤミ「私に何か出来る事はありませんか?」


629: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 15:36:28 ID:icObm1tGO

リト「俺の心配してくれてるのか?それとも美柑の心配か?」

ヤミ「もちろん美柑の心配もあります。ですが、今のあなたはそれ以上に心配です。私の知っている結城リトではないのですから」

リト「そっか……心配してくれるのか。ありがとな、ヤミ」

ヤミ「いえ。ですから、もうこんな事はやめに--」

リト「騙されない」

ヤミ「え…」

リト「もう俺は誰も信じない。だから誰に騙される事もない」

ヤミ「結城リト、何を言って…」

リト「さよならだ、ヤミ」

バンッ

古手川「結城くんっ…!」ハァハァ

ヤミ「古手川唯!?」

リト「………なんでここにいるってわかったんだ?」

古手川「あなたを抱えながら飛んでいくヤミちゃんを見つけて追いかけてきたの!結城くん、あなたにどうしても謝りたいの!本当にごめんなさいっ!」

リト「………」


649: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 15:55:48 ID:icObm1tGO

古手川「どうしてなのかはわからないのだけれど、あの時の私は正気じゃなかったの!」

古手川「ただでさえ傷付いていたあなたを更に傷付けてしまった。だけどあれは私の本心からの言葉なんかじゃない!信じて結城くん」

リト「……わかってるよ古手川」

古手川「結城くん…!」

リト「どうせその言葉も嘘なんだろ?俺はもう誰にも騙されないよ」

古手川「違う!どうして信じてくれないの?私はあなたの味方よ!お願い……信じて結城くん!」ジャリ

リト「こっちへ来ないでくれ!」

古手川「やめてよ結城くん……みんな悲しむから、そうやって自分を追い込むのはやめて」ポロポロ

リト「もう、いいんだ。はは、なんかもう疲れちゃったんだよ」

リト「ヤミ、これ美柑に渡してくれ。それっ」ポーイ

ヤミ「っ!」

リト「信じてあげられなくて…ごめんな、古手川」ニッコリ

古手川「結城…くん?」

バッ

古手川「結城くんっ!?結城くーんっ!」バッ


665: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:17:41 ID:icObm1tGO

ヤミ「くっ!?」バサッ

ヤミ(しまった。油断して出遅れた…!)


~落下中~

リト「古手川…!?な、何やってんだよ!」

古手川「………」

リト「こんな高さから落ちちまったら死ぬんだぞ?なんでこんな事…」

古手川「……言ったでしょ。あなたを一人にはしないって」

リト「だからってこんな…っ!」

古手川「あなたにだけは、信じて欲しかったから」

リト「古手川…」

古手川「……はぁ、こんな事で死んじゃうなんて思いもしなかったわ」

リト「ごめん…」

古手川「もう、謝るくらいなら最初からこんな事しないでよ!」

リト「………」



667: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:19:14 ID:MsL3821oP

落ちながら喋ってる…



678: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:33:48 ID:icObm1tGO

古手川「……ねぇ、結城くん」

リト「…なに?」

古手川「今なら私の言葉…信じて貰える?」

リト「そんな…当たり前だろ!」

古手川「そう、よかった。なら死んじゃう前に聞いて欲しい事があるんだけど」

リト「ああ、聞く!聞くよ!」

古手川「くすっ…………………………好きよ、結城くん」

リト「え…」

古手川「あなたを守れなかったけど…でも、こうまでしても守りたかったくらいにあなたが好き」

リト「……ありがとう古手川。嬉しいよ」

古手川「……はぁ、こんなあっさり言えちゃうなんて、今まで素直になれなかった自分が嘘みたい」

リト「…あのさ、古手川!お、俺も!俺も古手川の事が……す、すす」

古手川「いいわよ無理して言わなくたって。私は自分の気持ちが言えただけでも満足しちゃってるんだから」

リト「ごめん」



680: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:34:34 ID:5vmzWhyV0

なげぇなおい


684: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:35:52 ID:fg/EBXvz0

いや飛び降りはマジ思ってたより長いよ


686: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 16:38:39 ID:EOsX+adP0

>>684
何者だよ



692: 参考:スポーツ漫画アニメ版のコートの広さ 2013/08/25 16:48:09 ID:icObm1tGO

古手川「もう、謝らないでってば」

リト「俺、古手川には嫌われてるもんだとばかり思ってたからさ…あの日、孤立してた俺に声を掛けてくれた時、すっげえ嬉しかった。ありがとな」

古手川「うん。あれは全部ほんとの私だったから。今ならわかるでしょ?」

リト「ああ」

古手川「あーあ、でも悔しいな。料理のウデも上がって来てたし、結城くんとも仲良くなれてたのに」

リト「ほんと今更だけどこんな事になっちゃってごめん。償いって訳じゃないけどさ、今から俺に出来る事ってないかな?まぁ時間も無いんだけど」

古手川「………じゃあ、死んじゃう前に一つだけ我が儘聞いてくれる?」

リト「ああ、なんでも言ってくれ」

古手川「………あなたから抱きしめて」

リト「お、おう」ギュウ

古手川「ふふ、ありがとう」ギュウ


モモ(リトさん、古手川さん!?お願い間に合ってー!)パカッ

宇宙植物「にょ~」シュルシュル

ヤミ(プリンセスモモ!だめっ…間に合わない…!)ビューン


708: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 17:05:44 ID:icObm1tGO

古手川「ねえ結城くん、最後にもう一つお願いしていい?」

リト「もちろん」

古手川「唯って…名前で呼んでくれる?」

リト「えっ、えと…」

古手川「ほら早く、時間がないわ」

リト「………」

リト「ありがとう、唯…!」

古手川「ふふ…リト、好きよ」チュッ









グシャッ


728: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 17:25:09 ID:icObm1tGO

「ん……あれ、なんだこの感触」

「柔らかい?」ムニュムニュ

「なんだろう、どこか懐かしいような…そんな感触」モミモミ

『ハレンチなっ!』

バチン

リト「ぶっ…!痛てて」

古手川「もう、いつまで触ってるのよ///」

リト「えっ、あれ?なんで?だって俺たちビルから落ちて地面に…」

「お~い!リ~トぉ!ゆ~い~!」

リト「この声は……ララ!?」

ララ「二人ともこのロープに捕まってー!……それじゃあ引き上げるからねーっ!いくよー、せーのっ、それー♪」

リト「わわっ、わぁ~」

古手川「きゃあ~っ」



734: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 17:26:57 ID:MsL3821oP

ここにきてからのラッキースケベ



737: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 17:41:57 ID:K8BwBKJrO

ヤミ「………」ガシッ

ララ「おおーっ、ナイスキャッチヤミちゃん!」

ヤミ「プリンセス、乱暴過ぎます。今度こそ本当に死んでしまいますよ」

ララ「うん、二人ともごめんね~♪」

リト「ヤミさんきゅー。助かったぜ。ララも……ありがとな」

古手川「ヤミちゃんありがとう。それにララさんも」

ララ「うん♪」

ヤミ「プリンセスがいなかったら二人とも本当に死んでいましたよ。これに懲りたら二度とこんな真似はしないで下さい」

リト「う……ごめん、反省してます」

古手川「無茶しちゃってごめんなさい」

リト「……ん、ララがいなかったら?そういや、俺達ってどうやって助かったんだ?」

ララ「それはね~、じゃーん!おとうふクッションくん!」

リト「おとうふクッションくん?」

ララ「そう♪すごいでしょー!これぜーんぶお豆腐っぽいんだよ♪」ペチペチ

リト「ぽい?」


748: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 17:52:23 ID:K8BwBKJrO

古手川「とにかく、ララさんのお陰で助かったのね。ララさん、助けてくれて本当にありがとう」

リト「ああ。………ララ、ありがとな」

ララ「えへへ~、こんなの当たり前の事をしたまでだよ~♪」

ペケ「いやはやリト殿達が落下しているのを見つけた時はそれはもう驚きました。それを見つけた時のララ様の本気の飛行スピードにも驚いてしまいましたが」

ララ「やー、もう必死だったからね~!」

モモ「リトさん、古手川さん」

リト「………モモ」

古手川「モモちゃん…」

モモ「ごめんなさい!今回の事は全部私が悪いんです~」

ヤミ「……どうやら詳しく話を聞く必要があるみたいですね」ギラリ


754: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 18:05:25 ID:K8BwBKJrO

----------

モモ「……という訳なんです」ショボン

美柑「次期デビルーク王になるに当たっての試練…」

ペケ「確かに現デビルーク王様も、信頼していた部下の裏切りに心痛み、結果として国に甚大なる被害を被る事が過去にはあったそうです」

ララ「けどここにいるみんなは部下じゃないよ?家族だよ!家族が裏切ったりするはず無いよ!絶対にない!」

モモ「はい。本当にその通りだと思います」

ナナ「この試練難度ってのは?CからSまであるみたいだけどさ」

モモ「Cは家出レベル。どんどん上がっていってSがその…自殺したくなっちゃうレベルです」

モモ「これは絶対に避けられないんです。押した人が受ける絶望レベルに合わせて作動するようになってますから」

美柑「どうしてSなんて作ったりしたの?BやCで充分なんじゃ…」

モモ「それは、設計の都合上仕方なく…」

ララ「仕方なくじゃないよ!リトも唯も、もう少しでほんとに死んじゃうトコだったんだからね!」

モモ「はい。本当に後悔してもしきれなくなる所でした」

古手川「あの、どうして私には最後にしか効果が無かったのかしら?」

モモ「……古手川さん、正直に話してよろしいんですか?」


761: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 18:23:59 ID:K8BwBKJrO

古手川「え、モモちゃんそれはどういう意味…」

ナナ「いいに決まってるだろ!ほら、さっさと話せ!」

モモ「ではお話ししますね。このうらぎりブルータスくんの効果は本来リトさんの近くにいないと発動しない物なんです」

モモ「試練の目的である裏切りへの耐性UP…それにはリトさんが追い込まれていく中で一番信頼している人=裏切り者を最初に設定する必要があったんです」

モモ「ただ、一番信頼している人を家庭内に作ってしまうと、リトさんの本当の意味での孤立を作る事が出来ないので、普段一緒に暮らしているような身近な人は設定の対象外にしました」

モモ「設定と言いましても、既にほぼ決まっていた事なんですけどね。リトさん、このボタンを押されたのは覚えてらっしゃいますか?」

リト「あ、ああ。確かに押しちゃったな。ララの発明品っぽかったからうかつに触れないように注意してたんだけど、うっかり押しちゃったの覚えてるよ」

美柑「こういううっかり押しちゃったりする所が、いつものアレに繋がってるのよねきっと」ヤレヤレ

リト「あ、アレってなんだよ!?」

モモ「……お話を続けますね。リトさんがボタンを押された瞬間に試練がスタート。そして、一番の信頼者=裏切り者も決まったんです」

モモ「一番リトさんへの愛情が深く、かつ一番ハレンチな被害を受けていた人……ズバリそれが古手川さんだったんです」

一同「な、なんだってー!?」


770: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 18:39:39 ID:K8BwBKJrO

古手川「ちょ、ちょっとモモちゃん///」

ナナ「嘘だろ?!…まさかコテガワまで…」

ヤミ「………」

モモ「あ、ちなみにヤミさんもハレンチ被害数では負けてなかったみたいなんですけど、リトさんへの愛情という点で古手川さんより少し劣っていたみたいです」

リト「少し…?かなりの間違いじゃ…ぶはっ」ドカッ

ヤミ「……プリンセスモモ、そのまま話を続けて下さい」

モモ「え、え~と…続きといいますか。試練難易度CにしたつもりがSになってました!今回ここまでリトさんが追い込まれる結果になってしまったのも、全部私の不注意からでした!ごめんなさいっ!」

リト「モモ…」

ララ「…モモ、いくら間違いだからってやっていい事と悪い事ってあるよねー?今回はちょっとお仕置きが必要みたいだね♪」

ペケ「ひぃい~、こんな恐ろしい表情のララ様を見るのは初めてです」

モモ「はい…。どんな罰でもお受けします」

ララ「うんうん!デビルーク家のお仕置きならやっぱりコレだよね!じゃーん!おしおきぺんぺんくん!」

ナナ「で、出た~!あたしらのトラウマ発明品!」

リト「な、なぁ、そんなにきついお仕置きなのか?」

ナナ「あれはきついなんてもんじゃないって!あたしなんて姉上にタイマー入れるの忘れられててそのまま放置されて死ぬかと思ったからな!」



771: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 18:42:50 ID:fx/DY9n70

モモのお尻ペンペンしてぇなぁ・・・



777: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 18:51:34 ID:K8BwBKJrO

リト「………」

ヤミ「プリンセスモモ、この際徹底的に心を入れ替えた方が貴女の為です」

美柑「ん~、でもアレ痛そうじゃない?」

ナナ「痛くはないんだけど…いや、ある意味痛いのよりきついかもしれないな」

ララ「じゃ、行こっか」

モモ「…はい」

リト「ちょっと待ってくれ」

ララ「リト…?」

モモ「リトさん…」

リト「今回のその試練ってヤツは確かに本当に死にたくなるくらい辛かったよ。実際にララが来てくれなかったら死んでたんだし…」

リト「けど、この試練があったからこそ、知ることができたというか…学んだ事だって沢山あるんだ」チラッ

古手川(結城くん…?)ドキリ

リト「モモだってわざとミスした訳じゃないんだし、充分反省もしてる。だからさ、今回はお仕置きは無しって事でいいんじゃないかな?な、古手川もそれでいいだろ?」

古手川「あ、ええ。モモちゃんだってわざとやった訳ではないのだし、現に私達も生きている事だし」

モモ「リトさん、古手川さん…っ」


843: 保守さんくす 2013/08/25 21:19:08 ID:K8BwBKJrO

ララ「リトと唯がそう言ってくれるなら私ももちろん賛成するよ♪」

リト「そうか!じゃあ…」

ララ「…けど、今回のは本当にやっちゃいけない事だと思うんだ」

ララ「本当は可愛い妹にこんな事はしたくないんだけど、デビルーク家の第三王女として、モモにはきちんとけじめをつける意味でもしっかりお仕置きを受けて貰うよ」

モモ「はい。きちんとけじめをつけます」

リト「モモ…」

ララ「それじゃあモモ、2階へ行こー♪」

モモ「はい。リトさん、古手川さん、それに皆さんも…本当にごめんなさい。では、もう少し反省してきますね」

バタン

古手川「モモちゃん、大丈夫かしら?」

ナナ「あー、ありゃ死んだな」

リト「ちょ…変な事言うなよ!」


845: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:21:25 ID:K8BwBKJrO

----------

リト「あのさ……古手川、ありがとな」

古手川「え…?」

リト「俺、あの時は本当に死にたくなるくらい辛かったんだ。飛び降りたとき、もうこれで嫌な思いもする事はないって、楽になれるって本気で思ってた」

リト「けど、本当はそうじゃなかったんだよな。俺が死んでも悲しむ人がいる、誰かを傷付ける事になるって気付けたのは全部古手川のお陰だよ」

リト「あの時、古手川が最後まで俺の味方でいてくれたからこそ、また人を信じる事が出来るようになったんだと思う」

リト「だから、ありがとう」

古手川「うん…!」

リト「………それじゃあ、もう帰るから」

古手川「ええ、わざわざお家まで送ってくれてありがとう。結城くんも気をつけて帰ってね」

リト「えっと………あのさ」

古手川「もう、どうしたのよ。早く帰らないとみんなが心配するわよ」

リト「ああ…もう帰るよ。……………おやすみ、唯」

古手川「……ええ、おやすみなさい…リト♪」

おしまい?





850: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:24:21 ID:m4K64fA3I

どんなお仕置きなの?


851: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:24:50 ID:YIcWmWEO0

もうちょいアフターお願いします




853: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:27:04 ID:K8BwBKJrO

モモ「はぁ…はぁ……もうらめぇ~」ビクンビクン

ナナ「あー、やっぱりこうなったか。このくすぐり地獄は堪えられないよなぁ、うんうん」

美柑(いやいや、ただのくすぐりじゃないでしょコレは!ぺんぺんくんだなんて言うから叩かれるのかと思って心配して来たのに…もう!)

ナナ「……なぁ美柑、やっぱり古手川ってさぁ」

美柑「古手川さんが…なに?」

ナナ「ん、やっぱなんでもない!」

モモ「な、なんでもなくなんかないわよナナぁ~」ハァハァ

ナナ「わっ、何だよ?」

モモ「はぁ…ふぅ……。私…見ちゃったのよ。リトさんと古手川さんが熱い接吻…つまりキスしている所を!(落下してたしムードも何も無かったけれど)」

ナナ・美柑「なっ!き、キスぅ/////」

モモ「これは緊急事態だと言っていいと思うの。お姉様の正妻の座がちょっとピンチに…!万が一リトさんがお姉様以外の方をお選びになったとしたら…そしたらハーレム計画も全てが台なし…!」

モモ「こうなったらナナ、あなたも正妻のポジションを狙いなさい!私はデビルーク家(と私)の明るい未来の為にサポートに徹するから!」

ナナ「え、な、な、な、何言ってんだ…!あ、あたしが正妻?!あいつとあたしが…け、結婚?!////」プシュー

美柑(っていうかそもそもハーレム計画って何なのよ?!……モモさん、やっぱり一番危ないのはこの人だよね、うん。妹として、リトの貞操は守ってみせるんだから!)

おしまい♪





858: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:30:35 ID:HhjqTGlM0

おつおつ


871: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:38:47 ID:5G8B32qP0

面白かった乙!


872: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/08/25 21:42:31 ID:pQ7UdxUu0

そういえば、もう一人ヒロインがいたような
さいれ……はる……うっ、駄目だ、思い出せない
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損切り