559:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/06(土) 17:18:09.73 ID:G/5NX1Rvo
第231話 七夕の願い
未来「あっ! こんなところに短冊がある! 願い事かな?」
花子「もう、七夕だし」
こころ「誰がどんなこと書いてあるのかな~?」
もう少し仲良くなれますように 杉浦綾乃
豊作祈願 池田千歳
ゆい先輩とキスしてみたいです ちなつ
シャワー浴びたい 京子
出番が増えますように あかり
花子「なんか見たことある名前がちらほらあるし……」
未来「こころはどんな願い書くの?」
こころ「う~ん、イヌ?」
花子「なんだしイヌって!? 願いになってないし! イヌになりたいのかし!?」
みさき「」カリカリカリカリ
未来「みさきちは一生懸命何書いてるの?」
今年こそ花子をこえられますように!!! みさき
みさき「ちょっ、ちょっと何見てんのよ!」
未来「あーそれは無理だよ」
みさき「やってみなきゃわからないわよ!」
こころ「花子様は~?」
花子「花子は七夕の日が晴れますようにって書くし」
未来「それが願いなの?」
花子「七夕の日に、天体観望会するんだし。織姫と彦星が見えるように晴れることを祈るし」
こころ「なるほど~」
みさき「」カリカリ
たなばたの日はくもりますように!! みさき
未来「ちょっと酷いよー!」
こころ「いいな~ こころもてんたいかんそくしたいー」
花子「こころたちも来るし?」
未来「いいの!?」
花子「お母さんの許可取ってきたら来てもいいし。ついでにお泊り会するし」
みさき「……」
花子「みさきも来るかし?」
みさき「ど、どうしても来て欲しいなら行かないこともないわ!」
未来「全く素直じゃないな~」
花子「じゃあ、みさきと未来とこころと花子と家のメンバーで天体観望会するし!」
こころ「うん!」
第231話 七夕の願い 終わり
560:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/07(日) 22:01:34.05 ID:friJ8UOTo
第232話 七夕星空鑑賞会
7/7
櫻子「よーし!みんな集まったかー?」
未来「1」
こころ「2ー」
櫻子「3!」
みさき「よ、よん!」
花子「5ー」
撫子「……」
花子「撫子お姉ちゃん?」
撫子「えっ? 私も点呼するの?」
櫻子「当然だろ! ねーちゃん行かないのかよ!」
撫子「いや、行くけど。じゃあ6」
櫻子「じゃあ行くかー」
花子「ていうかなんで櫻子が仕切ってるんだし!」
辺りが田んぼのちょっとした空き地
撫子「ちょっと離れるとすぐに家がなくなるから星が一杯見えるね」
櫻子「そうだなー。そこだけが田舎の利点だ」
未来「晴れてよかったね!」
花子「だし! お陰で天の川まで綺麗に見えるし」
こころ「花子様ー! どれが織姫でどれが彦星なの?」
花子「まず、夏の大三角形を探すし」
花子「夏の大三角形は全部1等星だから一番わかりやすいし、天頂付近の3つ結ぶと夏の大三角形ができるし」
みさき「んー……どれよ! わからないわよ!」
花子「みさき……双眼鏡は視野が狭くなるから逆に星座は観察しにくくなるし……」
未来「なんだかんだいって、みさきちが一番気合入ってるよねー」
みさき「ハッ!!」カァ
561:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/07(日) 22:02:13.85 ID:friJ8UOTo
みさき「そ、そんなことない!!」
櫻子「なるほど、全く見えん」双眼鏡を逆から覗きこむ
撫子「アンタは双眼鏡の使い方が間違ってる」
こころ「見つけたー、たぶんあの星とあの星とあの星だ」
花子「たぶんそれだし。十字型のがはくちょう座、こころが見つけた星は、デネブって言って天の川の中にあるし」
花子「そして、その右側にある星がこと座のベガ。これが織姫星だし」
花子「天の川を挟んで左側にあるのがわし座のアルタイル。これが彦星だし」
未来「私聞いたことがある。織姫と彦星は、七夕の日にしか会えないんだよね」
花子「そうだし。でもなんでそうなったか詳しくはよく知らないし」
撫子「簡単に説明すると織姫は王様の娘で織物の上手な娘だった。また夏彦という牛追いの男も働きものだったんだけど、2人が出会ってお互いを好きになって結婚すると、どちらも全く仕事しなくなったから王様が起こって2人を天の川を挟んで引き離したけど、ずっと離したままだとあまりにかわいそうだということで7月7日だけ会うことを許した」
撫子「実際七夕は旧暦の7月7日だから今の8月中旬に行われる行事だったんだけど、日付だけ引き継がれちゃったから梅雨に重なる時期になったんだよね。まぁ今年は晴れてよかったけど」
こころ「へぇー、撫子さん物知りだぁ」
未来「いいなぁ、花子様はカッコイイお姉さん居て」
櫻子「(私のことかな?)」
花子「撫子お姉ちゃんはいいお姉ちゃんだし」
櫻子「なんだよ! ”は”って!!」
みさき「あっ、流れ星よ!」
未来「えっ!? 本当? 見てなかった」
こころ「なんてお願いした?」
花子「というかお願いは七夕の笹で決まってるんじゃ……」
未来「それにしても、綺麗だね! 花子様もっと星座について聞かせてよ!」
花子「わかったし! それじゃあ、あの星座から……」
第232話 七夕星空鑑賞会 終わり
562:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/08(月) 08:11:36.88 ID:br1xv+gko
第233話 七夕星空鑑賞会2
花子「じゃあ、せっかく夏の大三角形を見つけたからや座から見つけるし」
花子「夏の大三角形の中にあって、彦星に近い方にある星で2つ星が見えるかし?」
未来「あれかな?」
花子「それをつないでいくと、横に2つ星が並んでるし。これがや座だし。単純だけど矢の形に見えるからや座って言われてるし」
未来「あっ、あった! ホントだ! 矢の形に見える」
こころ「ホントだ~」
みさき「確かにこれは矢の形に見えるわね。でも、星座ってほとんどその形に見えないわよね」
花子「それは花子も同感だし……」
櫻子「おい、花子! 北斗七星見つけたぞ!」
花子「そっちは南東だし……でも、形が似ているから南斗六星って呼ばれてるし。そして、それいて座の一部だし」
花子「それにしてもよく見つけられたし……南の空は天の川に埋もれる上に、南斗六星は1つだけ2等星、4つは3等星、柄の先っぽは4等星なのに」
花子「北斗七星の方がよっぽど見つけやすいし」
櫻子「ふふ~ん! この櫻子様は目がとても良いのだ!」
こころ「櫻子お姉ちゃんすごーい」
櫻子「もっと褒めろ褒めろこころよ」
撫子「その目の良さを少しでも頭に回してくれれば」
みさき「じゃあ北斗七星はあれね!」
花子「そうだし。星の少ない北の空で目立つ2等星と真ん中は3等星、一年のほとんどの時期に見られるし。これははっきりとひしゃくの形がわかるから目立つし」
花子「ちなみに、コの字型になってる方の外側の2つの星が見えるかし?」
こころ「うん」
花子「あの2つの星の間を指で計って、2つの星の延長線上を5倍に伸ばせば、北極星が見えるし」
こころ「う~ん、あれかなー」
花子「たぶんそうだし。北極星は常に北にあって動かない星なんだけど、2等星で見つけにくいから。北斗七星を利用して探すのが手っ取り早いし。他にもカシオペア座っていうのもあるんだけど」
未来「花子様すごい知識だね! ところでさっきから言ってる2等星とか3等星ってなに?」
花子「あっ、説明してなかったし。星には等級っていうのがあって、見た目の明るさで分けられてるし」
花子「夜の星で一番明るい星を1等星って言って、そこから暗くなるにつれて2等星、3等星、4等星、5等星、6等星ってなっていくし。肉眼で見えるのは6等星までって言われてるし」
花子「ちなみに、1等級違うと明るさは約2.5倍違うし。5等星と1等星の明るさは100倍違うって見た。計算式があるみたいだけど、花子にはまだ難しすぎて分からなかったし」
撫子「ああ、私も花子の持ってた本読んだけど、100の5乗根で明るさが変わるってやつね。あれ、高校レベルだから分からなくても無理はないよ。対数スケールを取るとか言ってたけど詳しくは私もよくわからなかった」
櫻子「ちゃんとわかるようにしゃべれよ! 何言ってるかわかないよ! ねーちゃんも花子も!」
撫子「私の話は、難しいとして、花子の話はわかりやすいと思うんだけど」
こころ「花子様の話はわかったー」
未来「わかりやすいね!」
櫻子「うぐぐ……」
撫子「(小2に頭で負ける中1……見てて不憫だ)」
未来「それにしても、本当に物知りだ! さすが花子様!」
みさき「なっ! みさきだって、これから星に詳しくなるわよ!!」
花子「いや、別に無理して詳しくならなくても……」
第233話 七夕星空鑑賞会2 終わり
563:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/09(火) 00:58:34.20 ID:2pZ0LJbbo
第234話 なんで花子の隣なの!
大室家
こころ「ふぁあああ」ネムネム
未来「せっかくのお泊り会だけど、星見てたらもう10時過ぎちゃったね。私も眠いや」
撫子「花子の部屋だと4人は寝られないからってお母さんがリビングに布団敷いておいてくれたみたいだよ」
みさき「え!? 花子と一緒に寝るの!?」
花子「いや、お泊り会なんだから一緒に寝るのは当然だし」
こころ「私一番端がいいー」
未来「じゃあ、私はここー」
櫻子「じゃあ、私はここだな!」
撫子「アンタは自分の部屋で寝なさい」
みさき「(こころと未来が右の2列に寝るってことは……)みさきと花子が隣同士!?」
花子「じゃあ、寝るし」
みさき「むぅ……」
撫子「(ふ~ん、なるほどねー)」
順番
こころ 未来 花子 みさき
花子「電気消すし」パチン
…………
こころ「もう食べられないよぉ」スゥースゥ
未来「……」スゥースゥ
花子「……」
みさき「(なんで花子の隣で寝なきゃいけないのよ!)」
花子がみさきの方に寝返りをうつ
みさき「(こっち向いた! ちょっとやめなさいよ!! あっち向きなさいよね!)」
みさき「(……)」
みさき「(でも花子、よく見ると綺麗な顔立ちしてるわね……これで、勉強も出来て運動も出来るなんて悔しい! 絶対みさきの方が上なのに!!)」
564:1 ◆Y79ev7DOE0Zd:2013/07/09(火) 00:59:03.83 ID:2pZ0LJbbo
花子「……みさき、眠れないのかし?」パチッ
みさき「なっ起きてたの!?」
花子「目を閉じながら宇宙のこと考えてたし」
みさき「花子は本当に宇宙が好きなのね」
花子「今日の星空鑑賞会楽しかったかし?」
みさき「う、うん……今日の星空は忘れないわ」
花子「そっか、みさきも誘ってよかったし。来てくれてありがとう」
みさき「(その上、優しいんだもん。これじゃあ完璧な人間じゃない! ありがとうって言いたいのはこっちなのに)」
花子「それじゃあ、おやすみ」
みさき「そ、その……花子」
花子「?」
みさき「誘ってくれて、あ、ありがとう……」
花子「みさきがお礼を言うなんて珍しいし。明日は雪でも降るのかし?」
みさき「なっ!! やっぱり花子なんて嫌いよー!!」
第234話 なんで花子の隣なの! 終わり
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