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アニメSSまとめ速報

2chのSSまとめブログの記事を集め掲載しています。
アニメSSまとめ速報 TOP  >  アイドルマスター >  松永涼「ありがとう」

松永涼「ありがとう」

1 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:31:28.24 ID:cEQOtEEPo


※このSSは「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場する松永涼のSSです 

一部人物の名称を略称にしています



2 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:32:32.68 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――朝、松永涼の部屋 


ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ 


涼「うーん……ふわぁ」


涼「……ねみぃ」 

涼「今日は朝から拓海、夏樹とレッスンだったな……」 

涼「拓海のやつ、起きてっかな? 遅刻するとヤバいから起こしてやるか」 


ぷるるるるる ぷるるるるる 


拓海『おう……涼か……なんだよ?』 

涼「お? 起きてた?」 

拓海『たりめーだろ? んで、何の用だ?』 

涼「今日レッスンの日だろ? 起こしてやろうと思ってさ」 

拓海『起きてるから心配すんな』 

涼「じゃさ、一緒に行こうよ。ついでにアタシをバイクに乗せてって」 

拓海『はぁ? んなもん一人で行け!』 

涼「ケチ」 

拓海『じゃあな、切るぞ』 


つーつー 


涼「んだよ……そんなに怒んなくてもいいじゃん」

3 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:33:33.65 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――事務所 


ガチャ 


涼「おはよーっす」 

ちひろ「あら、涼ちゃん? おはよう」 


涼「おはよっす……今日はなんか人少ないね」 

ちひろ「そう? 普段通りだと思うけど?」 

涼「気のせいかな……」 

ちひろ「あっ、そうだ。涼ちゃん」 

涼「ん? なに?」 

ちひろ「奥の会議室は、大事なお客様が来るから立入禁止よ」 

涼「わかったよ……お客様って?」 

ちひろ「さあ?……とにかくお願いね」 

涼「りょーかい……Pさんは?」 

ちひろ「今日は朝から打ち合わせでテレビ局巡りね」 

涼「そっか……」 

ちひろ「今日は事務所帰れないかも……」 

涼「大変だな」 

ちひろ「何か用事? 伝言なら伝えとくけど」 

涼「いや、いいよ。あんがと」 



涼(Pがいないから静かに感じるのかな?……まさかね)



4 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:34:20.82 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――更衣室 


ガチャ 

涼「あれ?」 

夏樹「よぉ、涼」 


木村

涼「夏樹、いたの?」 

夏樹「そりゃ、いるだろ。いちゃ、マズいのか?」 

涼「そんなことねーけどさ……なんか今日事務所静かじゃね?」 

夏樹「別に? 普段と変わらねえよ」 

涼「やっぱ、気のせいかなぁ……」 

夏樹「変なやつ」 

涼「あれ? そういや拓海は?」 

夏樹「拓海……ああ、また寝坊じゃないか?」 

涼「アタシ、今日電話で起こしたぞ?」 

夏樹「マジかよ?」 

涼「何やってんだよ、あいつ。カミナリ落ちてもしらねーからな」 

夏樹「まあ、それもいつものことさ」 

涼「ったく……」



5 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:35:25.33 ID:cEQOtEEPo




ふにゅん 


涼「ひゃあああああああっ!!!」 

礼子「おはよう、涼ちゃん。相変わらず育ってるわね」

涼「い、い、いきなり背後から胸揉むなよ!! びっくりしたじゃん!!」 

礼子「あら? 女同士だから気にしなくてもいいじゃない? 減るもんじゃないし」 

涼「気にするよっ!!」 

礼子「お姉さんがバストアップのマッサージしてあげましょうか?」 

涼「い、いらないって!!」 


さわわっ 


涼「ぎゃあああああああっ!!」 

志乃「これまた素敵なヒップ。果実みたいだわ」

涼「志乃さんまで、何してんですかっ!!」 

礼子「若いって素晴らしいわね」 

志乃「礼子はもう手に入らないものよ」 

礼子「……言ってくれるわね、同い年」 

志乃「肌のハリはまだ私のほうが上よ」



6 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:36:21.74 ID:cEQOtEEPo


夏樹「おーい、涼。そろそろ行くぞー」 

涼「ほ、ほらっ! な、夏樹が呼んでるから……失礼しますっ!」 

礼子「あら、残念」 

志乃「またゆっくりと話しましょう。ワインでも飲みながら」 

涼「アタシ未成年だから!」 





涼「なんなんだよ、いったい」



7 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:37:07.84 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――ダンスルーム 


マスタートレーナー(以下、マス)「よし、揃ったな。それじゃあ、レッスンを行う」 


涼「あっ、マスさん」 

マス「なんだ? 松永」 

涼「拓海がいないんすけど?」 

マス「向井は今しがた連絡があった。体調不良で今日は休むそうだ」 

涼「体調不良?」 

マス「どうした?」 

涼「い、いえ……」 



涼(あのヤロー、サボりやがったな……)



8 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:37:53.31 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――昼、事務所 

涼「や、やっと……終わった……」 

夏樹「今日はハードだったな」 

涼「ちっくしょー、拓海のやつ……いいタイミングでサボりやがって」 

夏樹「まあ、そう言うな……メシでも行くか」 

涼「そうだな……どこにする?」 

夏樹「実はさ、前にPさんからファミレスの食事券もらってたんだ」 

涼「ファミレスかぁ、いいね」 

夏樹「んじゃ、いこうぜ」 


がちゃ 


仁奈「おはよーごぜーます」 


小梅「お、おはよう……ございます」 


涼「よう、揃っておでましか」



9 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:39:03.33 ID:cEQOtEEPo


仁奈「涼おねーさま、おはよーでごぜーます」 

涼「おはようニナ。相変わらずウサミミ帽子か」 

仁奈「ウサギの気持ちになるですよ」 

涼「もうそろそろなれたんじゃないか?」 

仁奈「まだまだ道はとおいでやがりますよ」 

涼「奥が深いんだな」 

仁奈「涼おねーさまもウサギになりてーですか?」 

涼「アタシは……あの一件がトラウマだからなぁ……」 

仁奈「そうでごぜーますか……」 

涼「そんな顔すんなよ。いつかはウサギになれるようすっからさ」 

仁奈「ほんとーでごぜーますか?」 

涼「ホントさ。その時はニナ先生に教えてもらうよ」 

仁奈「まかせてくれやがれです」



10 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:39:36.16 ID:cEQOtEEPo


小梅「りょ、涼さん……お、おはよう……」 

涼「よっ、小梅。なんだか眠そうだな?」 

小梅「だ、だいじょうぶ……」 

涼「新しい映画でも見てたのか?」 

小梅「う、う、うん……」 

涼「んじゃ、今度見せてくれよ。アタシのオススメも持って行くからさ」 

小梅「み、みたい……い、一緒に……涼さんと」 

涼「あったりまえじゃん。小梅と見たほうが楽しいからさ」 

小梅「えへへ……」



11 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:40:22.08 ID:cEQOtEEPo


涼「そうだ……ニナも小梅もメシ食った?」 

小梅「ご、ごはん……まだ……」 

仁奈「まだでごぜーます」 

涼「じゃあ、一緒にファミレス行こうぜ」 

小梅「で、でも……」 

涼「心配しなくても奢ってやるからさ。いいよな、夏樹?」 

夏樹「まあ、いいけど」 


ルーキートレーナー(以下、ルキ)「あっ! ニナちゃんたちみっけ!」 


涼「ん? ルキさん? 悪いけどルキさんの分は奢らないよ? 働いてるんだし」 

ルキ「けちーっ……って、ちがうちがう。小梅ちゃんと仁奈ちゃんに用があるの」 

小梅「??」 

ルキ「次の仕事の打ち合わせ。前に言ってたじゃない?」 

小梅「あっ……」 

仁奈「あっ!……仁奈もわすれてやがりましたよ」 

ルキ「しょうがないなー。ご飯は後でもいい?」 

小梅「は、はい……」 

仁奈「かしこまりましたです」 

涼「んー、仕方ねえか」 

夏樹「涼、そろそろ行かないと昼休みなくなるぞ?」 

小梅「りょ、涼さん……ご、ごめん」 

仁奈「もうしわけねーですよ」 

涼「気にすんなって。また今度行こうな」



12 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:41:13.05 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――数時間後、ボイストレーニングルーム 


トレーナー(以下、トレ)「はい! これで今日のレッスンは終わりです。お疲れ様でした!」

涼「おつかれさまでしたー」 

夏樹「おつかれしたー」 

涼「うーん! 終わった終わった! 夏樹、帰りにタワレコ寄って行こうぜ」 

夏樹「え? あ、うん……」 

涼「なんだよ? ノリ悪いな……なんか用事あんの?」 

夏樹「そうじゃねえけど……ちょっとな」 

涼「ふーん……じゃ、いいや。一人で行ってくる」 

夏樹「あ! ちょっと涼……」



13 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:41:56.02 ID:cEQOtEEPo




がらっ 


ベテラントレーナー(以下、ベテ)「松永! 松永はいるか?」

涼「ここにいるよー。どしたの? ベテさん」 

ベテ「お前はこの後補習だ」 

涼「えええっ! そんなの聞いてないよ!!」 

ベテ「今、言った。お前、ウオーキングやポージング苦手だろ?」 

涼「まあ、得意じゃないけどさ……」 

ベテ「私は偶然にも時間が空いている。今のうちに特訓しておけば後々役にたつ」 

涼「そうだけどさ……こんな突然に……」 

ベテ「四の五の言わずにやるぞ」 

涼「げえーっ」 


トレ「それじゃあ、姉さん。後はお願いします」 

ベテ「うむ。そっちも頼んだぞ」 

夏樹「へへへ、悪いな涼。ご愁傷さま」 



涼「なんてこった……」



14 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:42:46.45 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――一時間後、トレーニングルーム 


涼「はあ……はあ……しんどい……」 

ベテ「よし、今回はこれぐらいにしといてやろう」 

涼「ベテさん、鬼すぎるよ……ずっと缶詰でトレーニングなんて」 

ベテ「その分、集中してやれただろ?」 

涼「まあ、そうだけどさ……」 

ベテ「なんだ? まだ足りないのか?」 

涼「ちがうちがう! も、もういいよ!!」 

ベテ「そうか。じゃあ、松永。私の後について来い」 

涼「まだ、なにかあるの?」 

ベテ「まあな、行くぞ」 


涼「???」



15 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:43:32.91 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――会議室前 


涼「ここ?」 

ベテ「そうだ、扉を開けてみろ」 

涼「だって、ちひろさんが立入禁止って……」 

ベテ「いいから、開けてみろ。私が許可する」 

涼「???」 



がちゃ 



ぱーんっ! ぱーんっ! ぱーんっ! 



涼「うわっ! なんだなんだ?!」 


小梅「せ、せーの……」 



『涼ちゃん、お誕生日おめでとうーっ!!』



16 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:47:35.11 ID:cEQOtEEPo


涼「へ? へ? なになに? 誕生日?」 

夏樹「待たせたな、涼。こっち入ってこいよ」 

涼「え?」 

夏樹「何、呆けてんだ? 今日はお前の誕生日だろ?」 

涼「あっ……やべえ……素で忘れてた……」 

夏樹「マジかよ」 

ちひろ「はーい、おまたせー。ケーキですよー」 

涼「ちひろさん、これって? 会議室は……だって」 

ちひろ「ごめんね、涼ちゃん。ここは準備してたから近寄ってほしくなかったの」 

涼「それでか……夏樹も知ってたの?」 

夏樹「まあな。準備が意外にに手間取っててな。お前が帰りそうになった時はびっくりしたよ」 

涼「あっ! じゃあ、さっきの補習は?」 

ベテ「お前を帰らせないための時間稼ぎだ」 

トレ「おかげで間に合いました」 

ルキ「ニナちゃんも小梅ちゃんも準備忘れてたでしょ?」 

小梅「ご、ごめんなさい……」 

仁奈「すまねーです」 

ルキ「大丈夫だよー。おかげでこんなに立派にできたんだから」 

涼「トレさんたちも知ってたのか……」



17 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:48:27.35 ID:cEQOtEEPo


夏樹「よし、じゃあ……ロウソクに火をつけるからな」 



『はっぴばーすでー とぅーゆー♪』 

ふーっ 

ぱちぱちぱちぱち 



涼「あ、ありがとね……みんな。なんか……突然でちょっと戸惑ってるよ」 

ちひろ「じゃあ、プレゼントタイムにいきましょうか」



18 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:49:29.75 ID:cEQOtEEPo


マス「では、我々からいこうか。トレ、例のものを」 

トレ「はい。おめでとう、涼ちゃん」 

涼「あ、ありがとうございます。開けてもいいかな?」 

マス「うむ」 


がさがさ 


涼「これ……トレーニングウエアと、シューズ?」 

ルキ「新製品なんだよー」 

涼「こんな高級なの……なんか、勿体無くて着れないなぁ」 

ベテ「何言ってる? 明日から早速使うんだ」 

涼「へ?」 

マス「一年間、みっちり使い込んで靴も履きつぶすんだ。また来年には新しいのをやろう」 

涼「ひいぃ……手加減してくださいよ……」 

トレ「ふふふっ」



19 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:50:10.29 ID:cEQOtEEPo


礼子「これは私達からよ」 

志乃「開けてみて」 

涼「ありがとう、礼子さん、志乃さん」 


がさがさ 


涼「こ、こ、これは……」 

礼子「イタリア高級ブランドの最新下着よ」 

涼「ちょ、ちょっと……真っ黒だし、スケスケじゃん!」 

志乃「官能的だわ」 

涼「あ、アタシには……ちょっと……」 

礼子「大丈夫、サイズもきちんと合わせてあるわ」 

涼「あっ! それって朝の更衣室で……」 

礼子「ランジェリーコーディネーターとでも呼んで頂戴」 

志乃「これで、大人の仲間入りね」 

涼「ま、まだ子供でもいいかな?……でも、ありがとう」



20 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:52:26.95 ID:cEQOtEEPo


仁奈「仁奈はこれでごぜーます」 

涼「ニナもくれるのか。うれしいな……どれどれ?」 


がさがさ 


涼「……ウサミミ?」 

仁奈「涼おねーさま用のウサミミですよ。仁奈とおそろいでごぜーます」 

涼「はははっ、こりゃいいや。ありがとな」 

仁奈「今、つけてほしーですよ」 

涼「へ? い、今?」 

仁奈「一緒にウサギになるですよ」 

涼「う、うん……こ、これで……いい?」 

仁奈「おにあいでごぜーます。うさちゃんっ!!」 

涼「……ぴ、ぴーす」 


ぱしゃ 


涼「夏樹! 写真撮るんじゃねーよ!」



21 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:53:26.83 ID:cEQOtEEPo


小梅「りょ、涼さん……こ、これ……プレゼント」 

涼「悪いな、小梅……いいか? 開けても?」 

小梅「……うん……気に入ってくれる……かな?」 


がさがさ 


涼「映画のポスターと……パンフレット?」 

小梅「ど、どうかな……?」 

涼「嬉しいよ、すごく! たしか……小梅が事務所に来た時、一緒に見たやつだよな?」 

小梅「!……お、覚えてくれてたの?」 

涼「もちろんさ。でも、これもらっていいのか? 貴重なやつだろ?」 

小梅「わ、私の……宝物だったけど……涼さんにあげる」 

涼「でも……」 

小梅「い、いい……好きな人にもらってくれたら……その子も喜ぶ……それに」 

涼「それに?」 

小梅「い、い……今の宝物……涼さんだから……」 

涼「こ……小梅っ!! お前ってやつは!!」 

小梅「りょ、涼さん……く、くるしい……」



22 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:54:17.62 ID:cEQOtEEPo


涼「みんな……本当にありがと……アタシ……」 

夏樹「あー……ちょっと待て、涼」 

涼「ん? どした?」 

夏樹「そろそろだから」 

涼「そろそろ?」



24 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:56:34.93 ID:cEQOtEEPo




ばあんっ!! 


拓海「はあっ! はあっ!……ま、間に合った……か?」

夏樹「ギリだったな」 

涼「拓海! アンタ、体調不良で……」 

夏樹「まあまあ。拓海、お前の番だぞ」 

拓海「お、おう……ほらっ」 

涼「へ? アンタもプレゼント?」 

拓海「い、いいから開けろ!」 


がさがさ 


涼「これ……絶版になったインディーズのCDじゃん! もう無くなったと思ってたのに……どーしたのさ?」 

拓海「べ、別に……」 

夏樹「こいつさ、涼が欲しそうなCDアタシに聞いたんだけどさ、どこにもなくてオークションでたまたま出品してたのを落札したんだよ」 

涼「そっか……」 

夏樹「でもさ、おっかしーのが、持ってる人新潟にいるんだよ」 

涼「新潟?!」 

夏樹「郵送だと今日間に合わないからって、こいつ高速飛ばして取りに行ったんだよな?」 

拓海「夏樹っ! てめえ、バラしてんじゃねーよ!!」 

夏樹「はははっ、わりーわりー」 

涼「それで……アンタ……今日……」 

拓海「ち、ち、ち、ちげーから! たまたま……その、そう! ツーリングのついでだ! ついで!」 

涼「サンキュー、拓海。本当に嬉しいよ……ありがと」 

拓海「ば、ば、ばーかっ! かしこまってんじゃねーっつうの」 


夏樹「素直じゃないねえ」



25 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:58:02.62 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――数時間後 


夏樹「さてと……そろそろか?」 

涼「そろそろ?」 

夏樹「そんじゃ、行こうか? お姫様」 

涼「お姫様?……何言って……」 

夏樹「まあまあ、いいからこれ被れよ」 

涼「メット? これからどこか行くのか?」 

夏樹「魔法は12時には解けちまうからな」 

涼「???」 

夏樹「そんじゃ、みんな! あとよろしくな!」 



マス「頼んだぞ、木村」 

小梅「い、いってらっしゃい……」 

仁奈「いってらっしゃいですよ」 

礼子「大人になってくるのよ」 

トレ「れ、礼子さんっ!!」 

志乃「若いっていいわね。大人はもう少し飲みましょうか?」 

ベテ「ひ、柊……も、もう……無理……うっぷ」 

ルキ「ねーねー? ケーキ残りもらっていい?」 

ちひろ「まだ、食べるの?」 



拓海「……ぐーっ……ぐーっ……」 

夏樹「あいつは疲れてんだろうな。そっとしておくか」



26 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 21:59:19.60 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――交差点、信号待ち 


涼「なあ……夏樹」 

夏樹「なんだよ」 

涼「みんな、なんでアタシのためにこんなに祝ってくれんだ?」 

夏樹「なんでって……」 

涼「だって、まだ、アタシ、みんなほど役に立ってないよ。ニナも小梅も大きい仕事持ってるのに……」 

夏樹「お前、家族の誕生日祝うのに理由がいるのか?」 

涼「家族……?」 

夏樹「生まれた場所も年齢も違う奴らだけどさ、こうして同じ場所で同じ時間をずっと過ごしてんだ。家族みたいなもんだろ?」 

涼「……」 

夏樹「別にアタシらはお前から見返りがほしいワケじゃない。ニナや小梅も拓海も、お前が喜んでる顔が見たい……ただそんだけさ」 

夏樹「今回も誰が言い出した訳じゃない。みんな、自分から集まってきたんだ」 

涼「……夏樹……アタシ……」 

夏樹「ほら、もう行くぞ。舌噛むから黙ってろ」



27 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:00:08.70 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――ライブハウス前 


夏樹「ついたぞ」 

涼「……ここって……」 

夏樹「じゃあ、中に入るか」 

涼「でも、電気消えてるぞ? 営業してないんじゃないか?」 

夏樹「まあまあ、いいから。入った入った」



28 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:00:46.31 ID:cEQOtEEPo


――――――――――――ライブハウス内 


夏樹「ただいま到着しましたー」 

涼「えっ……」 

P「悪いな、夏樹。わざわざ」 

涼「Pさん……?」 

夏樹「そんじゃ、カボチャの馬車は帰りまーす。ちなみに貸し切りなんで。後はごゆっくり~」 

涼「ちょ、ちょ! 夏樹!」 

P「涼」 

涼「な、なに?」 

P「すこし、座ろうか……」 

涼「う、うん……」



29 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:01:36.64 ID:cEQOtEEPo


P「ここ、覚えてるか?」 

涼「ああ……アタシが二年前までバンドで世話になったライブハウスだ……変わんないな」 

P「そうだ。そして……俺がお前に初めて会った場所」 

涼「……」 

P「あれから、もう二年だな……早いな」 

涼「なあ、Pさん」 

P「ん?」 

涼「アタシら、正直、第一印象悪かったよな?」 

P「そうだな」 

涼「びっくりしたよ……だって、バンドのボーカルをアイドルにしたいなんてさ」 

P「普通はそうだよな」 

涼「でも、今は感謝してる。あの事務所に行って本当に良かった」 

P「そうか」



30 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:03:02.17 ID:cEQOtEEPo


涼「音楽しか信じるものがないアタシに、あいつら家族だって言ってくれたんだ」 

P「……」 

涼「ちひろさんにトレさんたち、アイドルの皆……拓海や夏樹に出会わせてくれて感謝してる」 

P「そう言ってもらえると嬉しいよ」 

涼「こんないい気持ちになる誕生日は初めてだ」 

P「……涼」 

涼「なに?」 

P「俺はお前に謝らなきゃいけないことがある」 

涼「……なんだよ、急に?」



31 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:04:19.74 ID:cEQOtEEPo


P「お前をスカウトした時、俺が言ったこと覚えてるか?」 

涼「……うん」 

P「俺はお前に『必ずデビューさせる』と言った」 

涼「……」 

P「だけど、それは今も達成できていない」 

涼「Pさん……」 

P「今日までにデビューを決めようといろいろ回ったんだが……ダメだった」 

涼「……」 

P「プレゼント、間に合わなかった……本当にすまない」 

涼「……ふふっ、しょうがねーなー。ったく」 

P「……」 

涼「別にいいよ。デビューはアタシ自身の力でもぎ取ってみせるからさ」 

P「……涼」



32 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:05:19.48 ID:cEQOtEEPo


涼「だからさ……」 


とん 



P「えっ」 

涼「ちょっとだけ……今だけ……肩を貸してくれ」 

P「……ああ」 

涼「0時まであと10分……この時間をプレゼントにしてくれよ」 

P「……わかった」 

涼「…………Pさん」 

P「ん?」 




涼「ありがとう」 




おわり



33 : ◆yfWmR9mD4k [saga] :2013/10/01(火) 22:07:53.61 ID:cEQOtEEPo


※これで終わりです 
誕生日になんとか間に合ってよかったです 

もっとアイドル出したかったのですが、あまり多すぎると冗長すぎるので省きました。 
申し訳ない。 


※略称についてはセリフの関係上短くしました 
お気を悪くされた方はごめんなさい



36 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/10/01(火) 23:01:37.15 ID:SVdfJ7w1o


 
涼さんおめでとう、SRはきっとかこいい路線でくる 
……特訓前が可愛い路線もあるかもだが



37 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/10/01(火) 23:04:21.85 ID:1HEfOS8ho


乙でしたっ☆ 
生投下には立ち合えなかったけど、ともかくおめでとうございます。 
涼ちゃんマジ、イケメン女子。



38 : VIPにかわりましてNIPPERがお送りします [sage] :2013/10/01(火) 23:09:27.52 ID:H20JAQeF0


乙でした 
さりげなくりょううめも入れてくれてありがとう
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損切り