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男「トイレに紙がねぇぇ!!!」花子「私、トイレの花子」

1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 22:44:01.50 ID:O1V1NViQ0

< 公衆便所 > 

ダダダッ! ガチャッ! バタン! 

男(あぁ~……腹痛い、腹痛い!)カチャカチャ… 

男(公園なら公衆便所があるはず、と入ってよかった)ズルッ 

ゴソゴソ…… 

男(隣の個室から物音?) 

男(隣に誰か入ってるっぽいけど、ここは気にせず思いきり気張らせてもらうぜ!) 

男「ふんっ……!」 

男「ぬぅぅぅんっ!」ブリュッセル 

男「出たぁ~……」ニッコリ 



3:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 22:44:51.71 ID:9Hx+H89x0

ブリュッセル 

8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 22:49:27.42 ID:O1V1NViQ0

男(さぁ~て、とっととケツ拭いて退散するとしますか!) 

男「──って」 



バカな! バカな! バカな! そんなバカな! 

こんなことはありえない! あってはならない! 

神はなぜ我にこのような試練を与えたもうたのか── 



男「トイレに紙がねぇぇ!!!」 

花子「私、トイレの花子」フッ… 

花子「あなたを呪い殺しに来たわ」 



11:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 22:53:51.49 ID:O1V1NViQ0

男(ウソだろ!?) 

男(ウソだといってくれ、頼む!) 



トイレに紙がないなどということはありえない! 

紙あってこそのトイレ! トイレあってこその紙! 

二つは共存関係にある! なのに片方が欠けている! 

理不尽! 不条理! 非現実! 荒唐無稽! あってはならないこと! 



男「ハハ、ハハハハ……!」 

男「そうだ、これは幻だ! 幻覚に違いない!」 

男「目をつぶって目を開くと、きっと紙がそこにある!」 

花子「あの……」 



14:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 22:58:55.24 ID:O1V1NViQ0

男(目をつぶるぞ……)パチッ… 

男(漆黒の闇の中で、今までの人生を振り返れ……) 



生誕── 幼稚園の頃は神童と呼ばれ── 

小学校ではドッジボールが得意── パンツごとスカートめくって学年集会── 

中学では5人にフラれ── 体育祭の棒倒しで大怪我── 

高校では帰宅部── 大学受験失敗── 

定職につかずブラブラ── 公衆便所に入る── 



男(まったく! いい人生だった!) 

男(開く!)パチンッ 

男「やっぱり紙がねぇ!!!」 

花子「もしもし?」 



15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:03:06.03 ID:O1V1NViQ0

男「さっきから、なんなんだ!?」 

花子「あ、やっと気づいてくれた!」 

花子「私、トイレの花子!」 

男「ああ、あの有名な? 公衆便所でも出るんだな。俺になんの用だ?」 

花子「私の怨念パワーが溜まったから、あなたを呪い殺しに来たの」 

花子「あなたが犠牲者第一号よ」 

男「俺を?」 

男「悪いけどさ、俺は今呪い殺されてやるほど暇じゃないんだ」 

男「ケツを拭かないまま死ぬなんてありえねえ」 

男「なぁ、紙持ってねえか?」 

花子「持って……ないわ」 

男「ちぇっ、なんだよ……花子のくせに」 



16:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:07:32.77 ID:O1V1NViQ0

男「なら仕方ねえ」 

男「どこかから紙を持ってきてくれねえか?」 

花子「ごめん、私ってこのトイレから出られないの」 

男「なんで?」 

花子「私はいじめっ子たちにこのトイレに連れ込まれて」 

花子「この個室に閉じ込められて上から水をかけられて、滑って転んで死んじゃったの」 

花子「それが悔しくて、自縛霊になっちゃったから……出られないの」 

男「そりゃ気の毒に……」 

男「じゃあさ、さっきから隣の個室にいる奴を連れてきてくれ」 



17:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:11:22.48 ID:O1V1NViQ0

花子「連れてきたわ」 

ぼっち「ボ、ボクに何か用ですか……?」 

男「紙持ってねえか?」 

ぼっち「持ってません」 

男「ん~、じゃあなにか代わりになるようなものは?」 

ぼっち「バランならありますけど……」 

男「こりゃ弁当とかに入ってる、緑色のギザギザのアレじゃねーか!」 

男「こんなギザギザでケツ拭いたらケツに穴が空いちまう!」 

ぼっち「元々穴はありますよ」 

男「うるせえ!」 



19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:16:26.34 ID:O1V1NViQ0

男「っつうか、お前なんでこんなもん持ってやがるんだ」 

ぼっち「ボク、トイレで弁当食べてたもんで……」 

男「トイレで? 変わった奴だな」 

花子「便所飯ってやつね!」 

男「便所飯?」 

花子「トイレでご飯を食べることを、そういうのよ」 

男「ふうん……知らなかった」 

花子「もしかして、あなたもいじめられ経験があるの?」 

ぼっち「うん……」 

花子「私たち、仲間ね!」 

ぼっち「う、うん……」 

男「意気投合すんな!」 



22:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:21:23.72 ID:O1V1NViQ0

男「──よし!」 

男「お前ら二人手分けして、外から紙を持ってそうな奴を連れてこい!」 

ぼっち「は、はいっ!」 

花子「さっきいったけど、私はトイレから出られないんだけど」 

男「大丈夫、お前なら出られる! 俺が保証する!」 

花子「!」ドキーン 

男「俺のケツ……お前らに託す!」 

男「頼んだぜ」ニッ 

ぼっち「は、はいっ……!」 

花子「私……頑張る!」 



23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:24:21.47 ID:ZABl/8/zO

あらかっこいい 



24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:24:25.99 ID:O1V1NViQ0

一時間後── 

男「遅いな……なにやってやがる!」 

男「もうとっくの昔にケツが乾いちゃったぞ!」 

男「まぁ、拭く時に紙を水で湿らせてもらえばいいか……」 

ぼっち「つ、連れてきました……」ザッ 

男「でかした!」 

インド人「ワタシ、インド人デース!」 

男「!?」 



27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:30:19.37 ID:O1V1NViQ0

男「まぁ、この際、国際交流も悪くない」 

男「インド人さん、俺に紙をくれないか?」 

インド人「紙はありまセーン!」 

男「は?」 

インド人「でも、カレーありマース! ワタシいつもカレー持ってマース!」 

男「バカヤロウ! トイレでカレーなんか食えっか!」 

インド人「じゃ、二人で食べまショーウ!」モグモグ… 

ぼっち「そ、そうですね……」モグモグ… 

男「…………」ゴクッ… 

男(この香ばしいニオイ……。う、美味そう……!) 



29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:35:20.12 ID:O1V1NViQ0

男「俺にもくれぇぇぇ!」 

インド人「しょうがない人デース!」サッ 

男「う、うめぇぇぇ!」モグモグ… 

ぼっち「本場のスパイスが効いていて、美味しいですね」モグモグ… 

インド人「ありがとうございマース!」 

男「あ、やべえ」 

男「食ったらまた出したくなっちゃった。しかたねえ、出しちまおう」ブリュッセル 

男(さらにケツが汚れたけど……いいよな。どうせまだケツ拭いてなかったんだし) 

男(花子が紙持った奴を連れてきてくれるだろ。アイツはできる女だ) 



30:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:38:20.29 ID:O1V1NViQ0

花子「連れてきたよ!」 

男「でかした!」 

少女「は、はじめまして……」 

男「なんだ、まだ中学生ぐらいの女の子じゃないか」 

男「で、紙は持ってるのか?」 

少女「持ってます」 

少女「持ってますけど──」サッ 

男「こ、これは!?」 



33:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:42:23.24 ID:O1V1NViQ0

男「賞状!?」 

少女「はい、あたしの家、お父さんがリストラされてしまい貧乏で……」 

少女「でも、あたし字を書くのが大好きで、書道だけは続けさせてくれて……」 

少女「この間の品評会で、やっと入選することができて……」 

少女「その時もらったのが、その賞状なんです……」 

男「…………」 

男「花子ッ!」 

花子「ひっ!」ビクッ 

男「こんな賞状でケツ拭けるわきゃねーだろ!」 

花子「ごめんなさい!」 



38:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:47:20.67 ID:O1V1NViQ0

男「しょうがない。ミスは誰にでもある」 

男「花子とぼっちは少し休んでいい」 

男「じゃあ今度は──」 

男「インド人さんと少女ちゃんが、紙を持ってそうな誰かを連れてきてくれ!」 

インド人「分かりマシター!」 

少女「はい!」 

男「二人とも……俺のケツを頼んだぞ!」 

ぼっち「ボクたちの分まで、お願いします!」 

花子「しっかりね!」 



40:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:50:23.37 ID:O1V1NViQ0

男「二人を待ってる間ヒマだし、少し話すか……」 

男「ぼっち、なんでお前はトイレなんかでメシ食ってたんだ?」 

ぼっち「ボク、他人としゃべるのが苦手で、友だちがいないから……」 

ぼっち「それを冷やかされるのが嫌で……」 

ぼっち「いつしか、一人でトイレでご飯を食べるようになって……」 

ぼっち「そのうちそれが習慣みたいになってしまって……」 

男「それでこんな公園でも、トイレにこもって弁当食ってたってわけか」 

花子「そうだったの……」 



41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:54:33.30 ID:O1V1NViQ0

男「ぼっち」 

男「お前はもう一人なんかじゃねえ!」 

男「お前は他人と話すのが苦手だっていってたが──」 

男「今、こうして俺らと話せてるじゃねえか!」 

男「しかも、インド人さんを連れてきてくれたじゃねえか!」 

男「見ず知らずのインド人に話しかけるとか、なかなかできることじゃねえ!」 

男「正直いって、俺もできないかも!」 

花子「うんうん」 

男「そしてなにより──」 

男「俺と花子はもう、お前のダチだ!」 

花子「そうよ!」 

ぼっち「!」 



43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:56:27.73 ID:ZABl/8/zO

イイハナシダナー 



45:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/21(月) 23:58:25.52 ID:O1V1NViQ0

男「──ってわけだ」 

男「もう、トイレで飯を食うなんてのはやめろ」 

男「メシなら俺たち二人が付き合ってやる」 

ぼっち「あ、ありがとう……ござ、い、ま、す……」グスッ 

花子「もう、泣かないの!」ナデナデ… 

ぼっち「うっ、うっ、うっ……」 

男(いじめられてた花子と、ハブられてたぼっちに友だちができた……) 

男(これであとは俺がケツさえ拭ければ──) 

男(万事解決だな) 



49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:02:59.23 ID:a6vz4Sew0

どんなケツ末が待ってるんだ 



50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:05:21.41 ID:45eY5F5o0

インド人「連れてきまシター!」 

男「でかした!」 

富豪「うぉっほん、私は大金持ちである」 

富豪「私に頼みがあるというのは、チミか? セニョール」 

男「おう」 

男「ケツを拭く紙が欲しいんだ! 俺に紙をくれよ!」 

富豪「ほほう、紙とな? お安い御用だ」 



52:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:06:53.42 ID:GYEGoghH0

すごい人連れてきちゃった 



53:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:08:29.97 ID:45eY5F5o0

富豪「札束ならいくらでもあるぞ」 

富豪「ほれ、ケツを拭くがよい」ドサッ 

男「…………」 

富豪「どうした? 100万円では足りぬか?」 

男「…………」プルプル… 

男「この、大バカヤロウ!」 

バキィッ! 

富豪「げぶうっ!?」ドサッ… 



55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:13:34.44 ID:45eY5F5o0

富豪「な、なにをするのだね、セニョール!?」 

男「いいか……」 

男「金ってのはな、大切なもんなんだ!」 

男「お前にとってはたかが100万円でも」 

男「世の中にゃ100万を稼ぐために必死こいてる奴もいるんだ!」 

男「愛する娘に書道をやらせるために、やりくりしてる両親だっているんだ!」 

男「そんなもんで、ケツなんか拭けるわけねーだろうがぁ! バチ当たりが!」 

富豪「ううっ……」 

花子「そのとおり!」 

ぼっち「そのとおりです……」 

インド人「そのとおりデース!」 

富豪「わ、私が間違っておりました! どうかお許しを!」 

男「そうか。だったら──」 



57:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:17:59.98 ID:45eY5F5o0

男「アンタ金持ってるなら、ちょっくら紙買ってきてくれねえか?」 

富豪「私が……紙を……?」 

花子「大きなこといって、結局お金に頼るんじゃない」 

男「うるさい!」 

富豪「どんな紙でもいいのかね、セニョール?」 

男「なんでもいいよ! 誰かの賞状とか、紙幣とかじゃなきゃな!」 

富豪「分かった! すぐ買ってくる!」 

ダダダッ! 

男(脂肪たっぷりな体しておいて、足はえーな、あのおっさん) 

男(ま……これでケツはなんとかなりそうだ) 



59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:23:21.42 ID:45eY5F5o0

男「待ってる間ヒマだし、少し話でもするか……」 

男「インド人さん、なんでアンタは日本に?」 

インド人「本場のインドカレーを日本の方に食べさせるためにきまシター!」 

インド人「だけど、店を出すにはどうすればいいか分からず困ってマシター!」 

男「ふうん、でもさっきのカレーは美味かったよ」 

男「俺もカレーは好きでよく食うが、その中でもトップクラスの味だった」 

ぼっち「ええ、とても美味しかったです」 

男「アンタなら、きっといいカレー屋を出せるぜ!」 

インド人「ありがとうございマース!」 

花子「いいな、私も食べた~い!」 

インド人「どうぞ、食べて下サーイ!」 

花子「美味しい~!」モグモグ… 

男(幽霊でも食べられるんだ……) 



62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:28:32.36 ID:45eY5F5o0

富豪「セニョール、紙を買ってきたぞ」 

男「おお! 買ってきてくれたか!」 

富豪「帝王製紙を買収してきた!」 

男「は!?」 

富豪「これでチミは、明日から帝王製紙の社長だ!」 

男「いやいやいやいやいやいや!」 

男「誰が製紙会社買収してこいっていったよ!?」 

男「ティッシュペーパーかネピアかトイレットペーパーが一個ありゃ」 

男「それでよかったんだよ!」 

富豪「すまん……」 

富豪「私にとって、何々を買ってこいというのは会社ごと買えって意味なので……」 

男「ハァ~……なにやってんだ、まったく」 



64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:34:26.24 ID:45eY5F5o0

富豪「お金の大切さを知らない上に……」 

富豪「買い物すらまともに出来ないなんて、私はなんて役立たずなんだ……」 

富豪「ああっ……」ガクッ 

花子「泣かないで、おじさん」ナデナデ… 

ぼっち「そうですよ……きっといいことありますよ」 

インド人「カレー食べて下サーイ!」 

男「ったく、しょうがねえな。俺も言いすぎたよ、すまねえ」 

男(こうなったら、あの書道好きの女の子が頼みの綱、だな) 



65:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:37:36.45 ID:45eY5F5o0

少女「紙を持ってそうな人を、連れてきました!」ハァハァ… 

男「でかした!」 

神「おぬしかのう? ワシに用があるというのは」ゴッドォ… 

男(なんか、妙なオーラが漂う爺さんだな……) 

男「だれだこの爺さんは?」 

神「ワシは神じゃ」 

男「な……」 

花子「な」 

ぼっち「ん」 

インド人「だ」 

富豪「っ」 

少女「てー!?」 

男「なんで君まで驚くんだよ」 

少女「てっきり、ただのおじいさんだと思ってたもので……」 



68:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:42:41.19 ID:45eY5F5o0

男「まぁいいや、神なら話が早い」 

男「俺がケツを拭くための紙をくれよ!」 

男「いい加減、この和式便所でずっとケツ丸出しで中腰でいるのも疲れたんでな!」 

神「……ダメなんじゃ」 

男「へ?」 

神「ワシには……おぬしに紙を与える力は……ない!」ゴッドォ… 

男「な……」 

花子「な」 

ぼっち「ん」 

インド人「だ」 

富豪「っ」 

少女「てー!?」 



69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:47:45.83 ID:45eY5F5o0

男「紙を与える力がないって、どういうことだよ!?」 

神「神にも色々いるでのう」 

神「残念ながら、ワシは紙を出す能力は持たぬ神なんじゃ」 

神「すまぬ……すまぬ……!」グスッ 

男「爺さん……」 

花子「神様……泣かないで」ナデナデ… 

ぼっち(辛いだろうなぁ、神様なのに人間の頼みごとを聞けないなんて……) 

インド人「悲劇デース!」 

少女「おじいさん、連れてきてごめんなさい……」 

富豪「この札束で涙を拭きたまえ、セニョール」サッ 



71:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:52:37.17 ID:45eY5F5o0

男「もういい、分かった。気にすんな。老人が泣いてる姿はいたたまれなくなるから」 

神「おおっ、なんと優しい人間じゃろうか」 

男「しっかし、どうしよう」 

男「俺はこのままケツを拭けずに、このトイレで一生を終えるのかな……」 

花子「そんなあ、それじゃ私みたいに自縛霊になっちゃうわ! ダメよ!」 

神「ワシに力がないばかりに……すまぬ……」 

富豪「金の力とは、なんと無力なのか! たった一人のケツを拭くことすらできない!」 

少女「あたしの筆で肛門をこすっても、とても拭き取れないでしょうし……」 

ぼっち「なにかいい手はないでしょうか……」 

インド人「!」 

インド人「いい手がありマース!」 



73:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:55:31.96 ID:45eY5F5o0

男「いい手って?」 

インド人「簡単なことデース!」 

インド人「紙がないなら、左手で拭けばいいんデース!」 

インド人「インドではケツを左手で拭きマース!」 

男「そうか、その手があったか!」 

男「俺は今まで、ケツは紙で拭くものという固定観念にとらわれていた……」 

男「だが、それを取っ払えば、物事は解決できるんだ!」 

花子「じゃあさっそく拭きましょうよ!」 

男「任せとけ、花子!」フキフキ… 



76:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 00:59:38.41 ID:45eY5F5o0

男(いいっ!)フキフキ… 

男(爪先とか指紋とか手相とかの紙にはない絶妙な凹凸が──)フキフキ… 

男(ものっすごい新鮮な刺激を肛門に与えてくる!)フキフキ… 

男(これは紙で拭くより、いいかもしれない!)フキフキ… 

男(決めた!)フキフキ… 

男(俺、今日からケツは自分の手で拭こう!)フキフキ… 



───── 

─── 

 



78:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:05:45.46 ID:45eY5F5o0

五年後── 

< 帝王製紙本社 社長室 > 

秘書「社長、昼食のお時間です」 

社長「分かった」 

社長「そうだ、今日は珍しく時間があるし、久しぶりに社員食堂で食べようか」 

花子「はぁ~い!」 

社長「有能な側近が二人もいると助かるよ」 

社長「もっとも一人は便所飯の元常連で、もう一人は幽霊だがね」 

秘書「今でも昔が懐かしくてたまにやっていますよ、便所飯は」ニコッ 

花子「私ももっともっと頑張るからね!」 



79:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:09:02.32 ID:45eY5F5o0

< 社員食堂 > 

インド人「いらっしゃいマセー! おおっ、社長ーっ!」 

社長「やあ、今日も大盛況じゃないか」 

社長「さっそくだが、インドカレーを二つ……いや三ついただこうか」 

インド人「毎度ありがとうございマース!」 

秘書「この会社が活気であふれてるのは、インド人さんのカレーのおかげですよ」 

花子「うんうん!」 

インド人「そう褒められると、照れマース!」 



84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:14:31.07 ID:45eY5F5o0

モグモグ…… 

秘書「しかし……不思議なものですね」 

秘書「あのトイレで出会った翌日、あなたは帝王製紙の社長となり」 

秘書「あなたの手腕で帝王製紙は飛躍的な発展を遂げました」 

秘書「私と花子さんは、こうして秘書になり──」 

秘書「少女さんの父はあなたのおかげで、この会社に再就職することができ──」 

秘書「インド人さんもこの会社でカレー屋を開くことができ──」 

秘書「大株主である富豪さんもさらなる大富豪となった」 

社長「ま、これも、あの時やってきた神が“商売繁盛の神様”だったという」 

社長「おかげもあるがね」 

花子「そんなことないわよ!」 

花子「あの神様もいってたでしょ!」 

花子「本人が努力しなきゃ、いくらワシがついても無意味だって」 

社長「フッ……そうだな」 

社長「しかし、なんともうまい具合に皆の“運命”が絡み合ったものだ」 



88:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:21:25.60 ID:45eY5F5o0

社長「ところで、お前たち結婚するんだろう?」 

秘書「はい……」ポッ… 

花子「うん……」ポッ… 

社長「花子も精神的に成長したからなのか、なぜか幽霊なのに美しく成長してるし」 

社長「お似合いのカップルだよ」 

社長「人間と幽霊の結婚だから、正式な結婚式が挙げられんのが残念だが」 

社長「その分、心から祝福させてもらうよ」 

社長「仲良くやるんだぞ」 

秘書「はい! ボクが死んでも花子さんとはずっと一緒です!」 

花子「私たち、ずっと一緒!」 

社長「ハハハ、こっちはマジメに話してんのにのろけやがってぇぇ!」 

社長「絶対死後もお前らにちょっかい出してやるからな!」 



89:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:25:41.10 ID:45eY5F5o0

帝王製紙社長は、後のインタビューでこう答えている。 



──座右の銘はなんでしょうか? 

社長「自分のケツは自分の手で拭け……かな」 

──なるほど、責任感の強い貴方らしいお言葉です。決して神頼みなどはしないと。 

社長「いや、神様にはしょっちゅうお世話になってるよ」 

──では、神がいたおかげで、今の地位があると? 

社長「いや、紙がなかったおかげでもある」 

──え? 





<おわり> 



90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:27:33.89 ID:bo+8Vxz20

うまいな乙 



91: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2013/10/22(火) 01:27:36.67 ID:ebDp90af0

乙面白かった 



92:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:28:13.59 ID:BqZzYzLf0

イイハナシダナー 



94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2013/10/22(火) 01:30:09.96 ID:U6dzf9Hoi

 
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