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女旅人「なにやら視線を感じる」【後編】

369 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:42:04.93 ID:fNXhvYIy0


「いくつかの偶然が重なるとそれが必然だと思ってしまう」というあいつの言葉には心当たりがあった。
半年ほど前、兄王子――陛下からの信頼も厚く、すでに国の一部の統治を
任せられており別の場所で暮らしている――が、宮廷に訪れていたときである。

下女「聞いてくださいよ! 本日殿下が……無能じゃないほうの殿下がいらしているのですけど!
なんと、五回! 五回も廊下ですれ違っちゃったんです! しかも三回、目が合ったんですよ!」

私「それは偶然だったな」

下女「偶然なんかじゃないんです! そんなに偶然が重なるわけがないんです!
限られた時間の中であんなに目が合っちゃったら、もう偶然なわけがないんです!
きっと私と兄殿下は運命の赤い糸で結ばれちゃっているんです! きゃーどうしましょう騎士様!」

妄想もいいところである。
372 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:47:20.32 ID:fNXhvYIy0
ただ偶然同じ場所を通り、ただ偶然目が合った、それも一方的な勘違いかもしれないというのに、
たったそれだけで、それが運命の仕業だという下女を酷く馬鹿にした覚えがある。
多分、同じようなものだろう。

そう、ただ単に偶然が重なっただけではないか。 偶然同じ時期に同じ道を通っただけだ。
それだけで私の後をついてきたのではないかと考えるのは自意識過剰というものだ。
足音はおいておくとして、尾行する者特有の視線だって全く無かった。

第一あいつには私を追う理由などないではないか。
戦場でも、酔いつぶれた時も、私に何もしなかったのだから。

374 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:50:00.89 ID:fNXhvYIy0
日が暮れると小さな洞穴の入り口に火を焚き、質素な夕食を済ます。
限られた食料を取り合って喧嘩する声も聞こえたりはぜず、とても静かなものだった。

ボサボサの頭をした男が荷物を探り「デザート」と言ってまたリンゴを放り投げた。
食料は一緒に買って回ったはずだが、リンゴを買った覚えは無い。

私「いつの間に買ったんだ」

ボサボサ頭「肉を吟味している間にちょろりと。 金は俺のだから安心して」

私「何故、リンゴなんだ」

ボサボサ頭「今の時期美味いし、安いからね」

こいつ本当は、私の好物がリンゴであることを知っているのではないか。
齧り付くと、口の中で甘く少し酸っぱい果汁がじゅわりと染み出た。 やはり、美味い。

376 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:53:13.81 ID:fNXhvYIy0

翌日、翌々日もひたすら歩き続けた。 去年のように雨が降ることはなさそうでなによりである。
ボサボサの頭をした男はこの道をよく通るらしく、この数日も全く地図を見もせずすいすいと進んでいく。
ならば何故今更クマになど襲われたという話になる。 「運悪くしっぽ踏んだんだよ」 馬鹿か。

近道もいくつか知っているらしく、少々険しい道も歩いた。
私が歩けると言ったから通っている道なのに、なにかと手を貸してくれようとしている。
実際無理しているところなどないので「助けなどいらん」と出された手を払いのける。

眉を下げる仕草は、相変わらず眼帯には似合わない。

378 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:54:50.01 ID:fNXhvYIy0

昔女に振られた理由について話しながら小さな川の側を歩いていた時である。
突然、目の前の男が立ち止まった。 その肩に私の鼻がぶつかりそうになる。
文句を言おうとすると、男は閉じた口の前に立てた人差し指を運んだ。
「静かに」という合図である。

こいつは耳がいい。
いつか馬車に乗っていたときも後ろから迫る盗賊の蹄音に気付いたほどである。
今回も何者かの気配がしたのだろう。 ……まさかクマが現れた訳でもあるまい。

ボサボサ頭「……ちょっと、多いかも」

380 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:57:03.94 ID:fNXhvYIy0
言った瞬間、背後でガサリと茂みが揺れる大きな音がした。
私とボサボサ頭の視線はそこに奪われる。 先には武器を持った者。
と、一瞬私の視界の端――男の死角で、何かがきらりと光った。

まさか。
男を突き飛ばす。

バン、という音と共に放たれた矢は、また、私の肩を射た。

ボウガンを持った男は舌打ちをし、そして逃げていく。
ボサボサ頭が私の名を叫ぶ。

382 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:58:41.16 ID:fNXhvYIy0
私「大事無い、さっさと追え!!」

ボサボサ頭「……ッ すぐ戻る!!」

ボウガンの男を追い、私は残される。
刺さった矢を抜こうとすると、またガサリと音がして三人の男が現れた。
手には、剣を持っている。

私「……いいだろう、丁度腕が鈍っていたところだ」

思わず笑みがこぼれた。
久しぶりに剣を抜く。

384 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 15:59:19.59 ID:fNXhvYIy0


木々を掻き分け雑魚の首を飛ばしボウガンを放った男を追う。
あいつの走り方は少々おかしい。 裾に隠れているが、もしやあれは――

崖に追い詰めると、相手は動きを止めこちらに振り返った。
その顔には見覚えがあった。

弓兵「よぉ」

かつての戦場で、同じ傭兵として雇われていた――
そして、決闘の途中にボウガンを放ち、彼女の左脚に命中させた男。

俺「なんのつもりだ」

弓兵「そりゃこっちの台詞だよなァ?」

387 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:01:35.95 ID:fNXhvYIy0
弓兵「テメェの為を思ってあの女隊長を撃った! しかしどうだ、テメェはその恩を仇で返しやがった。
おかげで碌な飯にもありつけやしねぇ! こんな片脚無ぇカタワなんか誰も雇いたくねえってよ!!」

弓兵「しかもだ! やっと見つけたテメェは、あの女隊長と仲良くしてやがるじゃねえかよ!
一緒に落ちた場所でヤって仲良くなったのか? そんなことでオレの人生めちゃくちゃにされたのか!?」

俺「お前の人生なんか知るかお前の存在価値なんか彼女に比べればシラミ以下だ」

弓兵「一々ムカつく野郎だな。 ……まぁ良い! テメェを殺すつもりだったが、
あの女がそんなに大事だってんならむしろ外して正解だったみたいだな!」

俺「どういう意味だ」

弓兵「あの矢には毒がたっぷりと塗ってあった! テメェは一生悔やんで死ね!!」

393 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:06:41.58 ID:fNXhvYIy0
弓兵の左の義足を叩き折り、マウントポジションをとる。
首元につきつけた剣は既に薄い皮膚を切り血を滴らせていた。

俺「解毒剤を出せ今すぐだそうすれば楽に殺してやる」

弓兵「んなもん無えよ!! 毒はヘビのもんだ、一度食らったら必ず死n」

手首を捻ると弓兵の首からは汚い血が噴き出した。
役立たずに興味はない。
立ち上がり、彼女の元へ急いで戻る。

俺「……俺の、せいじゃないか! くそ……!!」


394 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:06:48.65 ID:zJ5uuZQs0
この弓兵の気持ちはよく分かる
こいつもうこれから生きていけないだろうな


398 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:09:47.70 ID:fNXhvYIy0
彼女の名を呼ぶ。 彼女の名を叫ぶ。
返事は無い。

地面に剣が突き刺さっているのが見えた。
近付いていくと、そこにはぐったりと木に凭れる彼女の姿があった。

再び彼女の名を呼ぶ。
返事は、ない。

彼女の手には、肩に刺さっていたであろう矢が握られている。
ここに来る前に、俺が斃した覚えの無い者の死体が五体転がっていた。
彼女はそれらを斃した後、矢を抜いたのだろう。 だとすれば、毒はもう全身に――

402 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:14:24.04 ID:fNXhvYIy0
膝から崩れ落ち、うなだれる。

俺のせいだ。 俺のせいだ。 俺のせいで彼女は。
俺があの時、仕返しにとあいつの脚を切り落としたから。
俺があの時、あいつに僅かな情けをかけて生かしておいたから。

彼女の言うとおり、裏目に出た。

聴覚の妨げとなる小川の側を歩いて足音に気付くのが遅れたのは俺ではないか。
目の前の敵に惑わされて死角の敵に気付けなかったのは俺ではないか。
俺は、彼女の護衛をするためにこの旅をしているのではないのか。
何が護衛だ、守られているのは自分ではないか!
そればかりか、守るべき人を死に至らしめてしまったではないか!!

407 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:19:16.04 ID:fNXhvYIy0
彼女に対する恩をまた仇で――しかも最悪な形で、返してしまった。
もう、俺は、死を以ってその罪を償うしかない。
短剣を抜き、自らの首に構える。 今はもう、迷いは無い。
ぐっと力を込める。

こつん。

何かが頭に当たる感触がした。
枝だろうか、木の実だろうか。 顔を上げてみる。 と。

彼女「何を、やっているんだ」

彼女の手は拳骨。 どうやらそれに叩かれたらしい。
しばらく見つめ合ってから、

俺「ぎゃぁああああぁあ生き返ってるうぅぅうううううっ!!?」

彼女「勝手に殺すな!」

413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:28:23.62 ID:fNXhvYIy0
彼女は毒にやられて死んでいた、のではなく、単に休んでいただけなようだ。
ヘビ毒による症状――激痛や腫れの広がり、頭痛や吐き気などは認められないとのこと。
あの弓兵がヘビ毒と騙されて偽物を掴まされたという結論に至った。 考えてみれば、
収入の無くなった傭兵如きに致死性の高い毒薬などが買えるわけが無いのだ。

彼女「ただな。 ……血が、止まらん」

俺「……そういうことは早く言ってくれ!」


彼女を抱きかかえ、近くの洞窟まで運ぶことにした。

彼女「は、放せっ! 自分で歩けるっ!」

今回ばかりは言うことを聞けない。 血が止まらないのに歩いては出血量を増やすだけである。
図々しくもこんなことをして彼女に嫌われてしまうかもしれないが、彼女の命には代えられない。
しかしこの、嫌がるような、少し恥ずかしがるような彼女のこの顔、非常にかわいいです。

痛みが少ないこと、血が止まらないことから、矢に塗られていたのは
ヒルの唾液に近いものではないかと考えられる。 直接死に至ることはないものの、
治らない傷口から良からぬ病原菌が入り込んでしまう恐れがあるため処置は急いだ方がいいだろう。

416 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:34:01.18 ID:fNXhvYIy0
ある程度の広さのある洞穴を発見し、彼女をそこで降ろした。

彼女「すまん、重くなかったか」

俺「鎧着込んだ状態と比べると空気運ぶようなもんだったよ」

彼女「む……す、すまん」

目が覚めた瞬間斬りつけてきた去年と比べ、彼女も随分しおらしくなったなぁと思う。
あの時の頬の傷は深く、未だに消えていない。 良い記念だし傷の下に日付も彫っておこうか。
という冗談はさておき、とにかく彼女が前言ったように
俺をすっかり信頼してくれているようで、改めて思うが大変喜ばしいことである。

419 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:36:48.46 ID:fNXhvYIy0
さて問題が発生した。 否、発生することは分かっていた。
彼女の頼みにはことごとく「はい」としか返せないイエスマン・俺である。
もちろん「包帯巻くの、手伝ってくれるか」という頼みにもイエスマンは発動してしまったのである。

その頼み、つまりどういうことか。
「正当な理由があるのなら、裸を見せてもいい」 と、そ、そういうことだ。
……いや そういうことっていったいどういうことだってばよ!!

俺「いやちょっと考え直して欲しい! 包帯巻くってことは、
俺に、その、は、裸を見られてしまうってことだろ! いいのか俺に頼んで!」

彼女「お前は衛生兵に対しても裸を恥らえと言いたいのか?」

俺「ええええええ、あー……うーん……」

な、なるほど、今の俺は衛生兵扱いか。 俺がいるから仕方なく俺に頼んでいるだけか。
そうだね誰かがしなきゃいけないもんね俺が特別ってわけではないよね!!

423 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:39:52.33 ID:fNXhvYIy0
ただ一つ、現在ですら半勃起状態の愚息をもつ俺には彼女に言っておかなければいけないことがある。

俺「えっと非常に恥ずかしながら俺も一応男の端くれですので、いざというときは斬って下さって構いません」

彼女「え、あぁ……はは、そうか。 ……まぁ、大丈夫だろう」

大丈夫って。 何が大丈夫なんだ。 彼女が俺に絶大なる信頼をおいているということか?
それはそれで嬉しいのだが、かれこれ長い付き合いになる彼女の裸をまだ一度たりとも見ていない俺が
そのような期待に応えられるかどうかは正直わからない。 いつ息子が爆発するかも分からない。
ああくそう昨日抜いておけばよかったとか今更そんな後悔しても遅いのである。

彼女「包帯、用意できたらナイフも一緒に持ってきてくれ」

俺「ナイフ? まさか俺のn」

彼女「血でへばり付いて脱げない。 服を切る」

非常に残念ながら、包帯の準備はとっくに完了している。
生唾を飲み、深呼吸をする。 腹ァくくれ! さぁ、いざゆかん!!

425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:42:02.26 ID:fNXhvYIy0
彼女の肌着姿ですら初めてな俺である。 肌着といっても女性らしくビスチェを着込んでいるわけが無く、
俺はもちろんのこと男が着るような、吸汗性を重視した綿100%のタンクトップであった。
ナイフを持った彼女はそれにビッと切れ込みを入れる。 そしてそのまま真っ直ぐ下におろし、
タンクトップの前面は二分される。 片方ずつ腕を抜き、彼女の上半身は露わになった。

しかし、俺の視線の先は彼女の控えめな乳房でも、鎖骨でも、へそでも、くびれでもなく――
鍛え上げられた身体にある、数え切れないほどの、傷であった。

彼女「だから、大丈夫だと言っただろう」

はっとした。

彼女「私が襲われ、脱がされても……大体、それで終わる」

ここで何かを言わなければならない。 何かをしなければならない。 それは分かっていたのだが。
結局、彼女の水の催促があるまで、何もすることができなかった。 最悪だ、俺。

427 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:43:42.89 ID:fNXhvYIy0
水をかけ、血を洗い流す。 傷に滲みるのか彼女は小さな声で呻いた。
矢が刺さっていたのは肩というより胸に近かった。 重要な部分を傷つけてはいなかったものの
防具を装備していなかったために案外深い部分にまで達していたらしく、出血量は多い。
こうやって診ている間にも血はどくどくと溢れ出た。

綺麗(であろう)布を重ね傷口にあてがい、少々きつめに包帯を巻いていく。
見てしまうのは彼女に失礼である事は分かっているのに、どうしても、傷に目がいってしまう。

メイスの類で背中をえぐられた痕、無数の矢傷の痕、肩から深くまで斬り込まれた痕、
背中にも腹部にもある、焼き鏝を押し付けられたような明らかに拷問によるものと思われる痕――
小さいものから大きなものまで、たくさんの消えそうにない傷が残っていた。

彼女「汚いだろ」

視線に気付いた彼女はぽつりと言った。 一瞬だけ包帯を巻く手を止めてしまった。
「そんなことはない」と言ったが、それでは説得力の欠片もない。

429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:44:16.55 ID:fNXhvYIy0
彼女「気を遣わなくて良い、慣れているし気にしない」

俺「気なんか遣ってない。
……他の人がどう思っているのかは知らないけど、俺はこの身体が汚いとは思わない」

俺「確かに傷だらけで『綺麗』と言えるものではないかもしれないけど……
傷は戦士の勲章というか、一人の人間として頑張って生きてきた証みたいなものだ。
だから、俺はこれが汚いとなんか絶対思ったりしない。 むしろ、その、ええと……」

「魅力的だ」「美しいとすら思う」
言葉は思いつくのだが、喉の手前で閊えてしまう。
結局言いたかったことは言えずに包帯を巻き終え、
「また明日取り替える」という事務的なことしか伝えられなかった。

430 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:45:00.41 ID:fNXhvYIy0
いつの間にか外は暗くなり、秋の気温はどんどん下がっていく。
しかし残党が居るかもしれないという警戒もあり、火を熾すことはできない。
相手に居場所を教えることになる上、またボウガンで狙われたらひとたまりも無い。

彼女は包帯を巻き終えてからすぐ、半ば気絶するかのように眠りについた。
荒かった呼吸は安定してきているものの、失血による体温の低下は否むことが出来ない。
その上地面や石壁の冷たさは俺と彼女のマントごときで防げるとは思えない。

火を熾せない今、彼女の身体を温めるには――……

彼女と俺の現在の関係は「依頼主と傭兵」と、多分「信頼関係のある仲間」とか「友達」。
超えてはならない一線はあるが、彼女は今、寝ている。

「裸で温め合う」
ついに、繰り返された妄想を実践するときがきたのである。


432 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:46:43.90 ID:UgANnxkm0
夜這いじゃねえかww


433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:46:54.06 ID:soMHm7Nc0
もうパンツぬいでいいってこと?


434 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:47:22.91 ID:qjk4kN7Q0
大丈夫
女騎士は俺が暖めた


436 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:48:42.31 ID:fNXhvYIy0

結論を言うと、やっぱりそれもできなかった。
臆病者とでも根性なしとでもなんとでも言えばいい。 俺は紳士でありたいのだ。

しかし彼女を温めるという行為をやめたわけではない。
後ろから、彼女を抱き寄せる。 これで一応は温かくなるはずだ。
俺の腕の中で、彼女は静かに寝息をたてている。 それは俺に確かな安心感を与えた。

先ほど見た、彼女の背中。 女性に相応しくない形容詞であるが、筋肉に覆われていたそれは逞しく見えた。
逞しいはずであるのに、今目の前にある背中は何故こんなにも小さく弱弱しく見えるのだろうか。
それは彼女が「女性」だからか。 それとも「彼女」だからだろうか。 それとも、傷だらけだったからだろうか。
少し触れただけでも壊れてしまいそうだった。

彼女の、愛しく小さな背中を抱きしめ、優しく、起こさないように、耳の裏にそっと口付けをした。
「友達」の一線、ちょっと越えてしまったなぁと、後ろの壁に頭をごんとぶつけた。

440 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:50:30.91 ID:fNXhvYIy0

何時間も彼女を抱きつつの見張りを続けていたが、彼女の様子を見る以外にすることがなかった。
残党を懸念してこうやって見張りをしていたわけだが、実は残党など居なかったのではないか。
だとしたら今の数時間非常に無駄な時間を過ごしたことになる。

いや彼女の寝息を聞いたり彼女の体温を感じたり彼女の髪の匂いを嗅いだりする時間が無駄なのではない。
むしろそんな状況で見張りが出来るということは幸せだと言っても過言ではない。
しかし、何の意味もなく警戒し続けるというのは精神的に、非常に疲れるのである。
その緊張の糸を緩めても良いのではないかと考えた。

こうやって彼女を温めることも重要だし出来れば続けていたいのだが
残党が居ないとなればその役目は焚き火に任せることも出来るし、俺には他にもしたいことがあった。

441 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:52:36.16 ID:fNXhvYIy0

俺「……ふぅ」

愚息のしつけの時間である。 二人旅となると、どうしてもこのような時間の確保は難しい。
しかし何故だろう、彼女をオカズにしたわけではないというのに彼女に対する罪悪感が半端ない。
その理由は、俺の手に握られている彼女の血に汚れたタンクトップが知っているに違いない。

その後は彼女の服を川で洗濯をしたり、湧き水を確保して蒸留したり、
栄養のある(主に貧血に良しとされる)野草を集めたり、剣にこびりついた血糊をふき取ったりと、
なんだかんだしている間に日が昇り始めた。

今日も天気がよさそうである。
今年はここを通る間に雨が降りそうになることもなく、心から良かったと思う。

445 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:54:07.33 ID:fNXhvYIy0
ナイフで無精髭を剃っていると、洞窟から彼女がもそっと這い出てきた。
四つん這いで、目はぼうっとしている。 こんなかわいい生物がこの世に存在して許されるのか!
そして、その出てきた彼女の第一声が

彼女「あれは、何かの儀式でもやっていたのか?」

俺「生贄の儀式を」

暖をとるため彼女の周りに小さな焚き火を燈したのだが、
それが規則的に並んでいたために面白がってその間に線を引いた。
絵本で見たような、いわゆる魔法陣のようなものである。

彼女「いい歳して何やっているんだ」

尤もな意見である。

446 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:55:37.06 ID:fNXhvYIy0
朝食を作っていたのだが、まだ出来上がっていなかったので先に包帯の交換をすることになった。
洞窟に戻ると目の前で彼女が脱ぎ始める。 どんなストリップ・ショウよりも俺を興奮させてしまう。
彼女は衛生兵をはじめとする、目的が治療である者の場合ならば目の前でも抵抗なく服を脱げるのだそうだ。

俺は恥ずかしいことこの上ない。 絶対にB地区とか直視できない。

そこらへんは視界に入れないように気をつけながら、包帯を解き傷口を見た。
完全にとは言えないが、血は止まってきているようだし ひとまず安心する。
尤も傷が塞がるまではまだ時間がかかりそうではあるが。

450 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:57:20.36 ID:fNXhvYIy0
新しい当て布に交換し、また包帯を巻き直す。
後ろから巻いているため、彼女の両の脇から腕を通して包帯を左手から右手に受け渡すのだが
その瞬間俺の腕に、彼女の胸の、筋肉ではない部分に、そしてその先端に、触れそうになってしまう。

今こんなことを考えてしまうのは下劣で不純であることは重々承知なのだがこれは意識せざるを得ない。
少しでも手の位置を変えればダブルクリックの後揉みしだくことなど簡単にできてしまうのである。
そんな誘惑にも耐えられるのは俺が紳士であるからに他ならない。
俺ほどになれば彼女の髪をクンカクンカするだけで我慢することができるのだ。

昨日彼女は「身体を見れば萎える」ような事を言ったが、実際に萎えた奴居るのかよ。
こんな魅力的な身体を前にして萎えた糞野郎が居るのかよ! 馬鹿じゃねーのか!!

454 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 16:59:49.69 ID:fNXhvYIy0
「俺特製薬草スープ」が完成した。 椀によそい、彼女に手渡す。
瞬間、彼女は眉間に皺をよせた。 しばらく睨めっこをした後、恐る恐るスプーンで掬い、口に運ぶ。

彼女「……お前これ味見したか」

俺「はははもちろん。 する訳がない」

彼女「飲んでみろ。 生きた虫を噛締めた味がするぞ」

俺「お断る。 どんな味だよそれ。 あ、でもほら良薬口に苦しって言うし」

彼女「いい事を教えてやる毒薬もまた口に苦い!!」

俺「うわやめr…………ッ!! ッッ!!」

スープの入った椀を無理やり口につっこみ、俺に飲ませた。
顔が緑色に変色しかけた。 なんだこの味わ!! これが虫の味なのか!!
熱いわ不味いわ苦いわでとにかく大変だった。 豆とキノコがせめてもの救いである。

それでも、彼女はなんだかんだで具だけでも食べてくれた。
味はともかくとして、これは身体に良いに違いないから、とのこと。
もちろん俺も食べた。 彼女にだけ罰ゲームを与えるわけにはいかないからである。

460 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:03:02.02 ID:fNXhvYIy0



賑やかな朝食を済ませてから、目的の町に足を向けた。
背負って行こうかと提案されたが丁重に却下させてもらった。
これ以上こいつに迷惑をかけたくはなかった。

こいつに迷惑をかけたくはなかった、のだが。

しばらく歩いて正午過ぎ、休憩をとってから、立ち上がることができなくなった。
吐き気がするほどの眩暈と発熱――朝は、なかったはずなのだが。

背負われ、近くの洞穴に運ばれた。
結局迷惑をかけてしまっているではないか。
馬鹿か、私は。

461 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:04:02.18 ID:fNXhvYIy0
目を閉じていると、突然額に冷たい感覚が走った。
驚いて見てみると、どうやら男が水でしぼった布を乗せてくれたようだ。
目の上に乗せる。 ひんやりとしていて、気持ちいい。

傷口から病原菌が入り、体内の抗体とそれらが絶賛奮闘中なための発熱ではないか
というのが男の考えであった。 解熱剤はあるが、それなら無理に飲まないほうがいい、とのこと。

私「……すまない、お前には迷惑をかけてばかりだ」

ボサボサ頭「なんで謝るんだ、俺が謝りたい位なのに。
俺の目さえあれば俺を庇って矢を受けることも今こうして苦しむこともなかった」

私「それでも……、すまない」

ボサボサ頭「……」


462 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:06:01.42 ID:soMHm7Nc0
ちょっと!パンツはきかけたけどまたぬいでいいの?


463 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:07:09.35 ID:OFBg4nsF0
ネクタイと靴下はちゃんと着けとけよ


467 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:09:13.08 ID:fNXhvYIy0
ボサボサ頭「……包帯、どうしよう。 これ以上悪くなる前に、巻き直す?」

私「いや、大丈夫だ。 ……お前は私の身体に触れること、嫌がらないのか」

ボサボサ頭「嫌がる理由が見つからないけど」

私「そうか。 ……ふふ、私を脱がそうとした奴らは皆、
私を汚物のように見るというのに…… お前は、優しいのだな」

ボサボサ頭「汚b……酷い奴が居たもんだな」

私「そんなのばっかりだ。 傭兵も、貴族も、弟王子も」

ボサボサ頭「え、おっ、王子ィ!? 王子って国の? なんで……」

私「性欲の捌け口にするためだ」

ボサボサ頭「そうじゃない、そういうことは、王子だからって許されることなのか!?」

私「王子だから、だ。 それに強姦でもない。 契約の下での"和姦"だ」

ボサボサ頭「なっ――」

468 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:10:09.04 ID:fNXhvYIy0
私「騎士団を潰さない代わりに、大人しく所有物になると。 そういう契約だ」

ボサボサ頭「な、んだよ、それ……、そんな一方的なものが契約って言えるのかよ」

私「そんなもんだ。 ……結局、そこまでは至らなかったがな。
私の身体を見て、私の上から転げ落ちたんだ。 はは、滑稽だ、驚くあの姿、本当に滑稽だった!」

私「所詮、私は駒だ。 権力など無に等しい。 だから、身体を触られても、服を破られても、
化け物だと罵られても身体を蹴られても顔に唾を吐き掛けられても、何も、できないんだ」

私「……何も、できなかったんだ」

私「私の大切な部下達を、騎士団を盾にされて、何もできなかったんだ」

私「あんな屈辱を受けて、私は、あの糞生意気な餓鬼一人もこの手で殺してやることができなかったんだ!!」

469 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:11:01.69 ID:fNXhvYIy0
私「結局私は、権力の前じゃ何もできない! 私は弱い! 弱い自分が嫌で嫌で仕方ないッ!!」

私「本当に、本当にッ……嫌になった、だから、あの日、お前に……ッ」

私「……すまない、お前は、関係なかった、のに……、
自分勝、手な、私の我侭に、付き合わせて、迷惑、ばかりかけ、て……ッ」

私「すまない、すまない、本当に、すまない……」

溢れる涙は布に吸収されたが、嗚咽を隠すことはできなかった。
男は、何も言わない。 どんな顔をしているのか。 見ることも出来ない。
嫌われてしまったろうか。 しかしそれでもいい。
男が立ち上がる気配がした。 私の元を離れるのだろうか。

しかし、私が捉えたのは男が歩き去るものではなく、私の身体がふわりと浮き上がるような感覚だった。

471 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:12:04.67 ID:fNXhvYIy0
私「お、おい、何を……」

ボサボサ頭「町に向かう」

私「なら私を置いていけ、もう一緒に行動する必要なんか――うわっ」

ボサボサ頭「こんな汚い場所じゃ破傷風にもなりかねない。 ほら喋ると舌噛むぞ」

私を背負い、有無を言わさずとして走り出した。
辺りはそろそろ日が落ちてくる。 それなのに、私を背負ったまま町に向かおうというのか。
無茶な――

それでも私は、振り落とされないようにしがみ付いた。
薄れていく意識の中、こいつだけはもう手放したくないとひたすらに願い続けた。

500 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:46:42.55 ID:fNXhvYIy0

懐かしい温かさに目が覚めると、見覚えの無い部屋だった。
額には濡れた布が乗せられており、それは既にぬるくなっていた。
重い上体を起こす。 と、丁度その時部屋のドアが開かれた。
「あら」と言って現れたのは、あの酒場の、若き女店主であった。

女主人「目、覚めたみたいね」

町には、着いたらしい。
ここは彼女の店の二階の生活スペースで、この部屋は余っていたのだという。
何故、病院でも宿屋でもないのだろうか。

505 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:48:46.96 ID:fNXhvYIy0
私「……あいつは」

女主人「あいつ? ああ、自分の部屋で寝てるわよ」

私「自分の部屋? ここにあいつの部屋があるのか」

女主人「そ。 この町に居る時はそこに泊まってるわね、十年ぐらい前から」

知り合いが居ると言われてこの町に来た。 その知り合いというのが恐らく彼女の事だろう。
見た目からして30代といったところだろうか。 左目の泣き黒子が印象的な、美しい女性。
あいつとは十年来の仲だという。 この家にはあいつの部屋もある。
歳は少し離れているが、この女主人はあいつの、……恋人、なのだろうか。

506 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:50:49.29 ID:fNXhvYIy0
女主人「で。 貴女は、どういう関係なの? 一緒に旅をしているようだけど」

私「……ただの、旅の護衛として……傭兵として、あいつを雇っていただけだ」

女主人「護衛ね。 それにしては貴女の方が怪我してるみたいだけど。 役立たずなんじゃない?」

私「そんなことはない! あいつは私の為に何でもしてくれた、あいつはいつでも――」

女主人「あら。 ふふ、貴女、あの子のことを好きになったの?」

私「な、何を言う!! あ、貴女は、あいつの恋人ではないのかっ!! そんな事を言って、」

女主人「恋人ぉ?」

きょとん、とした。 しばらく黙った後、急に吹き出し、そして大笑いした。
なんだ、私は何か可笑しなことでも言ったのか? 恋人ではないのか? じゃあ一体なんだと言うのだ。

女主人「ごめんなさいね、あたしのこれ、女装なのよぉ」

言葉の意味を理解するのに時間がかかった。
理解したところで「はぁ!?」という驚きの声しかでなかった。

女装主人「あーおっかしい、まさかあの子の恋人と間違われる日がくるなんて夢にも思わなかった!」

508 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:52:29.73 ID:fNXhvYIy0
女装主人「ま、恋人ではないから遠慮なく話してね。 あの子の事、好きなの?」

私「…………分からない」

女装主人「分からない?」

私「恋愛沙汰にはむしろ批判的で、経験がなかった。
人を好きになるということが、どういう感情なのか……分からないんだ」

女装主人「そう、じゃあ……貴女は、あの子の事をどう思っているの?
難しく考える必要はないわ。 思いついた言葉を言うだけでいいの」

私「どう、思っているか……」

私「……最初は、憎たらしいとしか、思っていなかったんだ」

私「それが何度か会ううちに、あいつと話すと気が楽になると気付いた。
それだけだと思っていたんだが。 半年ほど、会えなくなる時期があった。
たった半年なのに、会えないだけで、私の心にはぽっかりと穴が空いたような感じがした」

私「多分寂しかったんだ。 だから久しぶりに会ったときは、とても嬉しかった」

509 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:53:25.55 ID:fNXhvYIy0
私「あいつは優しすぎる。 どんなに迷惑をかけても笑ってくれる。
私の傷だらけの身体を見ても『汚くない』と言ってくれた。 嘘でも、嬉しかった」

私「私は、あいつと居るだけで楽しいし、心も満たされるような気持ちになれる」

私「私は、あいつから、離れたくない」

女装主人「……その想いを、あの子に言ったことは?」

私「言えるわけがない。 あいつにとって私は『友人』で『依頼主』だ。
そんな事を言ってしまって、この関係すら壊れてしまうのが、……怖いんだ」

女装主人「……そう」

女装主人「貴女はあの子の事が好きなのね。 それも、どうしようもないぐらいに」

511 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:54:22.75 ID:fNXhvYIy0

「後で薬、持って来るから」と言って女装した店の主人はこの部屋を出て行った。
取り残された私はベッドの上で一人、丸くなる。

……私は、あいつの事が、好きらしい。
そうか、好きだったのか。 私はずっと、あいつの事が好きだったのか。
あいつの事を考えるだけで心が満たされ、そして心が締め付けられるような思いがしたのも、
あいつの事が好きだったからか。

自分の気持ちに気付いてしまった。
――いや、違う。 本当はずっと気付いていた。 ただ認めたくなかっただけだ。
人を好きになることは拠所を求める弱者のすることだと、戦場では邪魔になるだけだと、
人を好きになってしまうと敵に付け入る隙を与えることになるだけだと、弱くなってしまうと、
今までそう思い続けてきた自分を全て、否定してしまうようで――

人を好きになるというのは、こんなにも、辛いことなのか。

515 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:57:47.19 ID:fNXhvYIy0


現在の俺はすこぶる不機嫌であった。

昨晩――いやむしろ今日の早朝と言える、既に店も閉まってしまった時間に
俺はママの店に転がり込み、彼女の介抱、そして王子と王宮の資料と馬を要求した。
しかしそれが通ることはなく、ママは俺にも寝ろと言うばかりだった。

気に食わなかった俺は力尽くで資料だけでも手に入れようとした。
ママに片腕を外されようが、とにかく、俺は弟王子を、殺してやりたい一心だった。
その思いも虚しく顎に強烈な一発を食らってしまった俺は今までずっと気を失っていた。

肩を固定している包帯を煩わしく思い、それを解いていると、
ノックもせずにママが入ってきた。

ママ「駄目じゃない、解いちゃ」

516 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 17:59:26.50 ID:fNXhvYIy0
ベッドの際に腰掛けるママを睨みつけると、「随分と遅い反抗期ね」と言って溜息を吐いた。

俺「どうして行かせてくれなかったんだ」

ママ「あんなフラフラな状態で行かせられる訳ないでしょ。
ましてや相手はこの国の王子様。 ……あなたには荷が重過ぎる」

俺「でもあの糞餓鬼を殺さなきゃいけない」

ママ「どんな事情があるのかは知らないけど、
今自分が出来る事と出来ない事を見誤っちゃ駄目。 だからいつまで経っても坊やなの」

俺「でも」

ママ「私情を挟んでもロクな事にならないのはよく知ってるでしょ? 諦めなさい」

俺「……」

518 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:01:12.84 ID:fNXhvYIy0
俺「……彼女は」

ママ「目は覚めたわ。 今から薬貰いに行くけど、具体的にどんな症状なの?」

不思議なことに、彼女を背負ってここに向かう途中、急に俺にも彼女と同じ症状が現れた。
もちろん俺は毒の矢を食らっていたわけでもないし、その他の雑魚の攻撃を食らった覚えも無い。
菌が進入できる傷口はなかったし、風邪を引いていたわけでもない。
去年と違って全くの健全体であった俺が、何故こうなってしまったのか。

ママ「変なものでも食べたんじゃない?」

変なもの。 心当たりはある。 朝食べた、「俺特製薬草スープ」である。
もう忘れたいというのに、歯の間に詰まったカスがその味をいちいち思い出させる。
しかしそれは不味かっただけで、身体には良いはずだった。

俺「使ったのは薬草だ、確認もした。 それと町で買った豆と木の実、あとキノコ」

ママ「キノコ?」

519 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:02:25.53 ID:fNXhvYIy0
俺「昔からこの時期この辺で採れてた、美味しいやつ」

するとママは「あー」と言って目を覆った。

ママ「何年も帰ってきてなかったし、去年もすぐ発っちゃったから知らないのかもね。
そのキノコ、急に毒性を持ち始めて倒れる人が続出したのよ。 今はもう栽培禁止になってるわ」

なん……だと……
と言うことは、待て。 俺が今こうやって寝ていざるをえない状況になったのも、
彼女が熱に浮かされ大変苦しい思いをしているのも全て、俺のせいだということになる。

俺「……まただまただよもうやだ俺死にたい」

ママ「あんたの死ぬ死ぬ詐欺はもう飽きたわ」

軽くあしらわれ、額を指でトンと押された。 去年まで無かった羽毛の枕に頭がぼすっと埋まる。
「病人は大人しくしてなさい」と水で絞った布を顔にべちゃりと投げつけられた。

522 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:04:29.83 ID:fNXhvYIy0
ママ「で。 どういう経緯であなた達が知り合ったのかは知らないけど……やっぱりまだ好きなわけ?」

俺「好きだよ」

ママ「あら。 ふふ、きっぱり言うのね」

俺「好きじゃなきゃこんな熱くならない。物理的にも精神的にも。 彼女のためなら死ねる」

ママ「そんなに好きならいい加減本人に言っちゃえばいいのに。 意気地なし」

俺「……だよなぁ」

ママ「『俺は紳士だ』って言わないのね」

俺「ただ臆病なだけなんだよ俺は……」

ママ「……過去に振られたこと、相当トラウマになってるのね。
怖いんでしょ、また振られることが。 振られて、今の関係が崩れるのが怖いんでしょ」

黙って頷くと、呆れたように「本当、そっくりすぎて笑っちゃうわ」と呟き溜息を吐いた。
いったい何が、誰にそっくりだというのか。

524 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:06:26.55 ID:fNXhvYIy0



薬の影響か、ベッドに倒れこんだ瞬間枕に意識を吸い取られるように眠りに落ちてしまった。
そして目覚めた現在、先ほどまでの身体のだるさは全て消えていた。

窓の外を見てみればもう暗くなっていた。 下の階からは酒を飲む賑やかな声が聞こえる。

部屋を出て薄暗い廊下を通り、あいつの部屋の前で立ち止まる。
少し戸惑いながらも扉をノックする、が、返事は聞こえない。
ギィと軋む扉を開けると、窓もなく埃っぽい小さな部屋にベッドがあり、そこにあいつは横たわっていた。
胸が規則的に上下している。 近付いてみると静かな呼吸が聞こえる。
どうやら、まだ寝ているらしい。

525 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:09:24.49 ID:fNXhvYIy0
床に膝をつき、特徴的なボサボサの髪を掻き分け、顔を覗き込む。
無精髭は生えているものの、安らかに眠るそれはどこか幼く見える。

いつも陥没している眼窩を隠していた眼帯は右手に握られていた。
私が、初めてこいつにあげた物。
そういえばこいつは大層喜んでくれていたな。 今も大切にしてくれているのだろうか。

ぼうっと考えていると、こちらに気付いた主人が近付いてきた。

女装主人「あら。 起きるの待ってるの?」

私「え、あ、いや、別に待っていたわけでは。 ただ見ていただけだ」

「ふーん」と言うと、主人はおもむろに男に近付き、
そして目にも留まらぬ速さで鳩尾に強烈な一撃を放ったのである。

ボサボサ頭「お゛ぶッ!?」

526 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:10:32.42 ID:fNXhvYIy0
主人の予想外の行動に私は唖然とするしかなかった。
ボサボサの頭をした男も咳き込みながら起き上がり、突然の事態に混乱していた。

ボサボサ頭「ゲホッ……、え、何、敵襲……!?」

女装夫人「女性を待たせちゃ駄目じゃない、坊や」

「え」と言いながら、私を見た。 私など女性扱いするほど女らしくもないだろう、と思っていると
ボサボサ頭はかなり驚いた様子でベッドから転げ落ち、そして壁に後頭部を打ち付けた。
こんな光景は前にも見た気がする。 これが「デジャ・ビュ」というやつか。

女装主人「二人ともお腹へってたら下にいらっしゃい、ご馳走するわよ」

そう言ってぱたぱたと部屋を出て行った。
とても急がしそうである。

529 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:12:25.13 ID:fNXhvYIy0


ママの強力な一撃によって目が覚め、そして目の前にいた彼女に驚いて
ベッドから転げ落ち、頭を打ち付けたために完全に覚醒した俺である。

ママとの会話で改めて彼女のことを好きであると確認したからか、
どうも彼女と二人きりというのはドキドキしてしまうものである。
当の彼女の顔までが赤く見えるのは、蝋燭の明かり加減のためだろうか。

彼女「今の、大丈夫だったか。 モロに入ったが」

俺「はは……まぁ、多分手加減されてたから大丈夫だと思う」

彼女「す、すまないな、私がここに居たばっかりに。 もう出て行くから、ゆっくり休んでくれ」

俺「あ、いやいや。 今ので完全に目ぇ覚めたし良いよここに居て」

そう言って、何気なくベッドに座るように促した。
彼女は少し戸惑いながらも、すとんとベッドに腰を下ろした。

530 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:14:24.73 ID:fNXhvYIy0
俺「えっ……と、もう熱とか大丈夫?」

彼女「ん、お蔭様でな」

俺「で、その熱の原因なんだけど、実は、その……」

彼女「スープに入っていたキノコだろう。 聞いた」

俺「……ごめん」

彼女「何故謝る。 知らなかったのだろう?」

俺「知らなかった、なんて免罪符にはならない」

彼女「お前は同じ毒に侵されながらも私をここまで運んでくれた。
私にお前を責める理由はない、むしろ感謝したいことばかりだ。
あのスープだって私の為に作ったのだろう。 だったら悪いのは私だ」

俺「いやだからだな、」

彼女は「私が悪い」と言い張った。 俺も「俺が悪い」と言い張った。
責任の擦り付け合いとは全く逆の口論――それは激化していき、
いつの間にか喧嘩にまで発展してしまう。 お互いに譲れないのである。

533 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:18:55.61 ID:fNXhvYIy0
彼女「じゃあお前があの矢に射られたかったと言うのか? とんだ酔狂ではないか!」

俺「俺は護衛だ! 護衛として雇われている身がなんで守られなくちゃいけないんだ!!」

彼女「雇い主には傭兵の品質を管理する義務がある!!」

俺「傭兵にそんなの必要ない!
護衛である俺を庇うぐらいなら最初から俺なんか必要なかったんじゃないのか!?」

彼女「ッ、黙れ!! 貴様は私に雇われている身だ!
私の勝手な行動に口を出される義理はない!! 何故、そこまで私に口答えするのだ!!」

俺「好きだからに決まってるだろうが!!」


「俺のせいで嫌な思いさせたくない」と言おうとしていたのだが――
その裏にあった本音を、勢いで、つい、ぽろりと、言ってしまった、のである。

538 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:20:53.68 ID:fNXhvYIy0
しまった、と口を押さえるが今更口を封じても時既に遅し。
場の空気が凍り付く。

彼女は、掴んでいた俺の胸倉から右手を放した。
そして俺の顔に強烈な鉄拳を食らわせ、走って部屋を出て行ってしまった。

ああ、だめだ。 絶対に、完全に、完ッ全に、嫌われてしまった。
どうしよう。 死にたい。
しかし俺が自決するのを危惧してか暗器を含む武器全てをママに没収にされている。
どこかに殺傷力のあるものは――

いや、その前に、死ぬ前に。 彼女に謝っておかなければならない。
彼女を追い、走り出す。

541 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:22:29.03 ID:fNXhvYIy0


与えられた部屋に駆け込み、扉を閉じ、そしてそれに背を凭れしゃがみこむ。
何度深呼吸をしても脈拍が落ち着かない。

あいつはなんと言った? あいつは今、何と言った?
私を好きだと――そう、言ったのか?
馬鹿な。 馬鹿な。 馬鹿な。 そんな訳ない、そんなことあるはずが――

コンコン、と背後の扉が叩かれる。
思わずびくりとしてしまい、開けるべきか開けざるべきか戸惑っていると、
扉の向こうから「開けなくてもいい」と静かな声が聞こえた。

542 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:24:09.81 ID:fNXhvYIy0
ボサボサ頭「ごめん、さっきのは俺のせいで傷ついて欲しくないって意味で……」

ボサボサ頭「……いや、やっぱり……さっきのは、俺の本音。
ずっとそうだった。 でも黙ってた。 ……怖くて言えなかった」

ボサボサ頭「所詮俺は傭兵の糞野郎だから、言ったところでどうなるかなんか分かってた。
……言って、振られて、敬遠されて、一緒にしていた旅が終わるのが、怖かった」

ボサボサ頭「だからずっと黙ってた。 ……ごめん」

ボサボサ頭「でももういい。 言ってしまった。
もう俺となんか居たくないだろ? 契約、切ってくれて構わない」

ボサボサ頭「俺はもうここを出るから……安心して身体休めるといい」

ボサボサ頭「旅、すごく楽しかった。 ありがとう。 それじゃあ」

545 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:25:46.95 ID:fNXhvYIy0
脳が命令を下す前に、立ち去ろうとしていた男を引き止めていた。
隔てていた扉を開き、驚き固まる男の手首を引っ張り、強引に部屋に入れた。
そしてその手を掴んだまま、「本当なのか」と尋ねる。 声が、震えている。

私「私の、目を見て、もう一度、言って欲しい」

男は口をぱくぱくさせた。 そして深く深く深呼吸し、
そしてあの決闘の日のように真っ直ぐと私の目を見据えた。

ボサボサ頭「ずっと、す、好きだった」

なぜこんな大事なときに声が裏返るのか。 それはさておくとして――
その言葉に、何の偽りも感じなかった。 その瞬間、私の目からは滝のように涙が流れた。

549 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:27:32.61 ID:fNXhvYIy0
私「…たしを、好きでいてくれるのか? こんな私を好きでいてくれるのか?」

私「こんなに我侭な私を、こんなに迷惑をかけてしまった私を、
こんなに醜い身体をした私を、本当に、お前は、好きでいてくれるのか?」

ボサボサ頭「うん」

私「……っ、私も……、ずっと、ずっとずっと好きだった」

私「お前のことが、好きで好きで堪らなかった。 だけどずっと言えなかった。
お前が私のことを嫌っているのではないかと、煙たがっているのではないかと思っていた」

私「怖かった。 私も、お前と離れることが怖くて、ずっと、言えなかった……っ」

漏れる嗚咽を止めたのは私自身ではなく、こいつであった。
未だに私が掴んでいる手で私の肩を抱き、もう片方で私の流れる涙をそっと拭う。
そしてその手をゆっくりと顎に沿わせ、軽くしゃくると、そのまま優しく唇を重ねた。


550 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:28:43.35 ID:D3E//AJ10

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ヽ ヽ" :l l l| / :}、::::: `' 、;;; ;;; ', ゙''、 j 、|.
ヽ ヽ { " / | リ:: ヽ::: '' 、从 ',、 ミヽ ゙' 、.|
ヽ :: \ '、 ミ / 、 ゙l::: ゙ll ゙ll:',ヽ ゙' 、, ゙{
ヽ ::: ミ '、 ミ |::: ヾ::::: ゙ll ゙l|l::::゙、 { |
ヽ::::: リl|l|::: ', ゙ll: |::::::゙、人|; /
゙l ゙ミ /:l. :レ'::} ', ノ、;;;;;;;ヽ l|/ヽ
|`-、ミ /:::::::| } |:::...... ,,、 '",、、゙゙''ー''´ ',
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555 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:30:09.66 ID:L+oInUH80
>>550
ようママン、>>549の部屋の壁を6時間くらい頼むよ


557 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:30:18.44 ID:eEnyLMRy0
>>550
あのすいませんいいですか?えぇ・・・えぇそうです・・・はい・・・
では1時間だけ女騎士とボサ頭をした男がいる部屋の隣でお願いします。


560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:30:58.50 ID:fNXhvYIy0


さて、まさかの予想外ともいえる彼女からの告白――彼女も、俺が好きだと、
そう言われたおかげで勢いにまかせて唇が触れる程度であるが彼女とキキキキキスをしてしまった訳だが。

ドキドキドキドキといつもの二倍の脈拍が自身から聴こえる。
彼女の桃色の可愛らしい、そして柔らかな唇に勝手ながらファースト・キッスを奪ってもらった俺は、
プラスαとして唇を放した後の彼女の、赤らんだ顔+涙ぐんだ+上目遣いという超絶コンボによって
内心息絶え絶えであった。 彼女の可愛さは致死量を超えてしまった。 可愛すぎて生きるのが辛い。

この先どうすればいいのですか我が息子よ。 この童貞畜生めにどうか教えてやってつかあさい。
しかしそんな問いかけも虚しく返事は返ってこない。 当然である。 息子といえど、俺なのだ。
ああくそう、なんのための日々の妄想だったのだ! これだから童貞は!

しかし、やることがわからなくても、わからないなりに、頑張らなければならないのである。

564 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:34:22.30 ID:fNXhvYIy0
やることは分からない、分からないが、単純にもう一度、キスをしたいと思った。
顔を近づける。 彼女はそれを理解したように目を瞑り、低い身長を補うため背伸びをした。

舌を入れても彼女は抵抗しなかった。 絡め、放し、そしてまた絡め合う。
唇を貪り、更に強く絡め合うため彼女の頭の後ろに手を回す。 彼女も、俺の背中に手を回した。
熱く、荒い鼻息が互いの顔にかかる。 相手の鼓動までが伝わってくる。

唇を離すと、二人の間にねっとりとした白い糸が引いた。

彼女を軽く押す。 ベッドの縁に足を掛け、仰向けに倒れる。
そしてその上に、俺が覆いかぶさる。
耳まで赤くした彼女は、潤んだ目でじっと俺を見つめている。

服の中に手を滑り込ませる。 包帯の上から胸を撫でる。
柔らかな先端部に触れると彼女は熱い息を漏らした。

572 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:36:46.08 ID:fNXhvYIy0
これはもう、辛抱堪らん。 彼女の服に手をかけ、脱がそうとした。
すると彼女は「待ってくれ」と言い、俺の行動を制止させた。

彼女「……明かりを、消してくれないか」

俺「なんで」

彼女「こんな汚い身体なんか、見たく、ないだろ」

俺「前も言ったけどそんな事思ってない。
傷だらけだけど、俺はむしろそれが魅力的だと思うし、美しいと思うよ」

彼女「でも」

俺「それに俺は、恥ずかしがる顔をじっくり見たいんだよね」

彼女「……ばか」


573 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:37:02.21 ID:GSXvTDL+0
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587 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:44:13.02 ID:GSXvTDL+0
お知らせ


★壁殴り代行休業しました★


|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
||冬季休業中|
||_____|
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_| ::|_


592 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:48:15.93 ID:GSXvTDL+0
/ / /
/ . /
. ./ .
/ / 壁殴り代行だったよ
______
゙" "''" "゙" ゙"/::ヽ_____ ヾ" あらゆる壁を
゙" ゙" " ゙"'' ゙" |ヽ/:: ヾ''" 殴るすごい奴だったよ
゙" ゙'" "゙" ゙" .|:: |::: Kabe-naguri | ゙ "
゙" ゙ ゙" ゙"'' |:: l: Dai-Koh |
゙" ゙ ゙" ゙"'' |:: l: |
゙" ゙" "゙" ゙"|: :|: Death by | ''゙"
゙" ゙" ゙""'"Wv,_|:: l: overwork |、w"゙"
゙" ゙"''" ".wWWlヽ::'ヽ|::::::_::_______:.|::\W/ ゙"゙''"
"'' ゙"''"゙" V/Wヽ`―――――――――lV/W "'
゙""' ゙"''" "゙"w''―――――――w' ゙"゙'


593 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:50:46.43 ID:UgANnxkm0
壁は壊すものではなく、乗り越えるものだと知った時
あなたはまた一歩成長するのだ


594 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:54:35.33 ID:x2yjpU/P0
>>593
名言だが、俺たちには乗り越える勇気も壊す力もない


597 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:58:12.46 ID:fNXhvYIy0
―――――
―――


ママ「昨夜はお楽しみだったみたいね」

朝起きて、昼の部開店準備中の店に降りた俺にママが放った第一声である。
朝っぱらからなんてことを!と思うものの否定も出来ず、目をそらして苦笑いするしかなかった。

俺「も、もしかして、声、漏れてた?」

ママ「残念だけどお客さん賑わってて全然聴こえなかったわ。
だから驚いたわぁ、さっき様子を見に行ったら一緒に寝てるんだもの」

ひとまず安心した。 もし俺以外に彼女の喘ぎ声を聞かれてなどいたら彼女はこの町を歩けなくなる。
そして俺にも、彼女のあの甘い声を俺だけのものにしたいと いっちょまえな独占欲があった。

598 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 18:59:21.16 ID:fNXhvYIy0
ママ「どうする、朝ご飯食べる?」

俺「いや、彼女がまだ起きてないし、しばらく待つよ」

「そ」とあいづちを打ちながら、ママは俺の顔を見てニコニコとした。
ああきっと話を聞きたいのだろうなと思い、彼女を待つ間馴れ初めを語ることにした。

俺「彼女、実はこの国の、」

ママ「正規軍の女隊長さんでしょ?」

俺「あら」

どうやら知っていたらしい。
まぁ、酒場の店主でありギルドマスターの一面も持つママの事だから、
彼女のような有名人の顔ぐらい知っていてもなんら不思議なことではない。
だったら去年ちょっとぐらい教えてくれたってよかったのになぁと思いながら話を続ける。

601 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:00:40.57 ID:fNXhvYIy0
俺「実は去年ここを発ってから、クマに襲われて行き倒れて離れ離れになったんだよ」

ママ「災難だったわね。 去年は木の実が不作だったからかしら」

俺「で、しばらく入院して、彼女のことは諦めて仕事を再開したんだ。 借金返すために」

俺「春にあった戦に当然彼女は参加してたんだけど、
偶然その時俺も丁度参加してたんだよね。 この国の敵、連合軍側に」

ママ「あら、とんだ負け戦だったわね。 その目はその時?」

俺「いやこれはもっと後。 で、彼女と一戦交えて、その後いろいろあって俺は戦線離脱。
戦終わった王都の酒場にて偶然再会、決闘やりなおして、それ以降一緒に酒を飲む仲に」

俺「しかも行き倒れている時の俺を助けてくれたのは
偶然町を出るために通りかかった彼女(とその部下)だったらしいんだ」

ママ「へぇ~、偶然に偶然が重なったわけ」

俺「そうそう。 嬉しい限りだよ本当」

604 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:02:56.82 ID:fNXhvYIy0


窓から差し込む眩しい朝日に目が覚める。
身体を起き上がらせた拍子に肌蹴た毛布から現れたのは、一糸纏わぬ姿の自分だった。
ああ、そうか、昨日はあいつと――……
思い出しただけで、顔が熱くなる。

性交自体は初めてではなかった。 昔傭兵のとき一度、五人の男に回されたことがある。
捨てられた後に残っていたのは、下半身の苦痛と、喪失感と、恐怖感と、屈辱感だけだった。

しかし今は、それらの一つも感じていない。 今あるのは、幸福感のみである。
恐ろしいと思っていた男の身体を受け入れることが出来たのは、あいつだったからに他ならない。
まさか、性行為というものに、ここまで魔力があるとは――

こんなものに溺れては、いつかは身を滅ぼすな、と思った。

606 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:03:45.53 ID:fNXhvYIy0
私の横にあいつの姿はなかった。
代わりに、ベッドの横にある椅子の上に、脱ぎ捨てられていたはずの私の服が
丁寧に折畳まれ置かれていた。 あいつの仕業か。 変なところで几帳面なやつだ。

それを手に取り着込んでいく途中、胸や首筋に赤い点があることに気付いた。
虫にでも刺されたか? ……いや、違う。 これはあいつが吸い付いた痕か。
あいつめ、なんてものを残してくれたのだ。

廊下に出てあいつを探す。 一階に降りてみると、店の主人の小さな声が聴こえた。
この扉の向こうは酒場のスペースだろうか。

607 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:05:38.97 ID:fNXhvYIy0


ママ「ずっと、好きだったものね。 いろいろと思うことあるんじゃない?」

俺「……そうだなぁ」

ママ「全部吐き出していいのよ。 お客さんの話を聞くのがあたしの仕事だから」

俺「お客さんって。 そんな寂しい扱いだったの俺」

ママ「息子って言って欲しい?」

俺「嫌だよちんこついた母親なんか」

ママ「誰が母親って言ったのよ、あたしは女装が好きなだけで女になるつもりはないのよ」

俺「はいはい。 ……えっと、じゃあちょっと聞いてくれるかな」

ママ「ふふ、どうぞ」

614 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:08:19.93 ID:fNXhvYIy0
俺「まず去年、丁度一年前の今の時期町の酒場で見つけた彼女に俺は運命的な何かを
感じたよ。 一目惚れすると同時に彼女が俺の何かを変えてくれるんじゃないかってね。
それから彼女に話しかけるために彼女の後をつけた。 話しかけるなら彼女が望んだ
時に話しかけたいからね。 だから彼女の研究とも言える。 この研究の時間は本当に
楽しかった。 彼女の歩行速度。 彼女の歩幅。 歩くときの癖と、それによる足音。 手を
振る角度。 歩くことで揺れる輝かしいまでに靡く髪とマントと、伸び縮みする大臀筋。
彼女の呼吸音。歩いた後の彼女の髪の残り香。 少し汗の匂いの混じった、甘い香り。
彼女の嫌いな食べ物。 彼女の好きな食べ物。 朝食と夕食のレパートリー。 一日に食
べる量。 彼女が去った後に残された、彼女が食べていたと思われる骨付き肉の残り
かすは有難く頂戴させてもらって大切に大切に舐めさせてもらったよ。 ごちそうさまです」

俺「彼女の行動のひとつひとつが、俺の中のナニカを刺激したんだ。 欠伸をする彼女。
くしゃみをする彼女。 木の根に躓きそうになる彼女。 頭を掻く彼女。 伸びる彼女。
髪を耳に掛ける彼女。 水を飲んで一息を入れる彼女。 休憩中に溜息を吐く彼女。
というか、もう、彼女が存在するというだけで俺は常に元気になれたんだと思うんだよ」

615 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:09:09.83 ID:fNXhvYIy0
俺「一緒に酒を飲むようになった彼女。 彼女はある酒場の常連客でね、ボトルまでキープして
もらっているんだ。 その酒をよく飲ませてもらっていたんだけど、それはただのワインじゃ
なくて、シードルも少し混ぜられた彼女オリジナルブレンドなんだよね。 他の酒を混ぜる事
はよくあるけども、シードル、リンゴ酒を混ぜるってあたりいかにも彼女らしいよね。 その酒
はもちろん美味しかったんだけど、なにより彼女オリジナルよいう事実に最も美味を感じた。
酒を飲んでる間は無言のことが多かったけど、たまにお互いの話をしたりするんだ。その時
の彼女の見せる表情といったら後ろを歩いていては絶対にみることのできないものだし、な
により目の前の席に座っているものだから本当に近い距離なんだよね。 なんというか、もう
凄く可愛いんだよ。 いつものつんとした鋭い目ももちろんいい。 だけど時折見せる無邪気な
笑顔とか、柔らかい笑顔とか、人を見下して嘲笑う顔とか、心身ともに疲弊している顔とか、
もう何から何まで可愛いんだよね。 本当に、彼女の顔はずっと見ていても飽きないんだよね」

俺「旅を始めるとき、彼女は眼帯をプレゼントしてくれたんだ。 これね。 彼女には内緒だけど、
これ内側に日付を刺繍したんだよね。 記念日っていうのかな、とりあえず忘れないように。
彼女に貰ったということと、それが貰うまで彼女のズボンのポケットもしくは彼女に握られて
いたと思うとどうしても匂いを嗅がずにはいられなくなるよね。 もちろん大っぴらにはしない
けどさ。 俺はプレゼントだと勝手に思ってるけど、彼女にとっては目の陥没が見苦しかった
のかもしれない。 だけど、心配をしてくれているのかもしれない。 そうかんがえるとやっぱり、
俺はこの眼帯を装着しているだけで幸せな気分に慣れるんだよ。 手放したこともほとんどない」

617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:09:42.93 ID:fNXhvYIy0
俺「酔いつぶれた彼女を初めて背負ったとき、俺は地獄を見たよ。 それは背中に襲い掛かった。
遠目で観ても分かるとおり、彼女の胸は他の女性に比べれば小さい分類なんだよ。 ほとんど
が筋肉になってしまってるんだ。 でもその考えは浅はかだったよ。 背中に彼女を感じて分か
った。 彼女も、胸は、ある。 胸の下部。 明らかに筋肉と言い難い柔らかな部分があったんだ。
確かに小さい。 小さいけども、確かにそれは、その宝石は、そこに存在したんだよ。 それで、
昨日。 俺は彼女の許可を得、初めてまじまじと見ることに成功した。 包帯を取り替えるときに
だって観ることはできたけども、それは俺のプライドというか俺の中の紳士が許さなかったんだ。
で、その、彼女のおっぱいなんだけど、やっぱり、小さいんだ。 でもそれって大変素晴らしい事
だと思うんだよね。 彼女は騎士で、女を捨てていると思われているかもしれないけど、実はそん
なことは決してないんだよ。 確かにあの筋肉に覆われた身体は女性らしいとは言い辛いけども
それでも彼女は立派な女性なんだよ。 彼女は、その筋肉に覆われた身体が、身体を鍛える
ことで小さくならざるを得なかった胸が、女性らしくないことを、本当は気にしている、とても可愛い
女性なんだよ。 だからあのとき蝋燭の火を消すように頼んだんだと思うんだ。 俺はそんなこと
気にしない、むしろそうやって気にしている彼女が非常に魅力的だと思うんだけどさ。 で、その
彼女の胸はこう、後ろから乳輪付近を指で押さえて、それでゆっくりと揉みあげたんだけど、やっ
ぱり後ろからやったのが良かったのか、凄く手に収まるような感覚が良いんだよ。 さっき地獄
って言ったけど、それは悪い意味ではないんだ。 俺は、地獄のような、歓喜を味わったよ。 うん」

622 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:12:17.82 ID:fNXhvYIy0
俺「あ、それでね。 話はちょっと戻るんだけど旅の途中で――」

ママ「ああ、もう、いいわ」

俺「え、なんで? まだちょっとしか話してないんだけど」

ママ「いいから。 ……っていうか。 逃げなさい」

「へ、」と言いながら、ママの視線の先を追う。 と。
そこには、にっこりと笑う、彼女が立っていた。
もちろん目は、笑ってない。

サーッと一気に血の気が引くのがわかった。

626 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:14:12.14 ID:fNXhvYIy0
席から立ち上がり、後ずさる。

俺「おおっおおおおおはよう、どどどうかな体調は」

彼女「ああ貴様のおかげで順調だ、見ろ、肩ももう軽く回せる」

指を鳴らし、肩をぐるんぐるんと回しながら、俺に、一歩一歩近付いてくる。

俺「え、ええっと、その、あの、いつから、聞いていたのでしょうか?」

彼女「『じゃあちょっと聞いてくれるかな』辺りからだな」

俺「は、ははは、それって最初からって事じゃん超ウケル」

そう言った瞬間に、俺は彼女に背を向け店から出て抜け出そうとした。
しかしその試みは軽く打ち砕かれた。
彼女は目にも留まらぬ速さで走り、俺の目の前に立ちはだかる。
そして前方に走り続けようとする慣性を利用して俺を投げ飛ばした。


627 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:14:12.70 ID:UgANnxkm0
得意分野になると、とたんに饒舌になる・・・お前らそっくりや


630 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:15:34.28 ID:fNXhvYIy0
うつ伏せに倒れる俺を踏みつける。 地団太を踏むように何度も何度も踏みつける。

彼女「貴様! 貴様は!! 去年からずっと私を尾行けていたと言うのか!!!」

俺「げふッ! いや、それは、研究あぶッ!!」

彼女「ぬかせ!! なにが研究だ単にストーキングしていただけではないか貴様はッ!!」

俺「紳士d……!」

彼女「前、後ろに居たのは偶然だと言ったな!! あれも嘘だったのか、あァ!?」

俺「んう゛ッ!!」

彼女「ましてや、私の、私の……ッ! ち、……ッ、このぉッッ!!!」

634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:17:17.92 ID:fNXhvYIy0
俺「ごっ、ごめ……! し、死んじゃう!! 本当に死んじゃう俺!!!」

彼女「ああ死ね死んでしまえ!!!!」

俺「おごぉ゛ぉおおおおおおおおおお」

彼女は両脇に、俺の脚を挟んだ。
そして俺に跨り、美しいフォームの逆エビ固めが完成した。


俺「……ほっ……!」


俺「本望なりィィイイイイ!!!!」


fin.


637 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:18:16.64 ID:zJ5uuZQs0
oh....BAD END......いやhappy end乙乙


638 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:18:27.35 ID:UgANnxkm0
>>1
お疲れ様でした!面白かったよーww


640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:18:38.64 ID:mUL+kcil0
おつかれー
騎士ちゃん、こんな風に騒げる相手を見つけて幸せだろうな
ハッピーエンドでよかったよ


ところで、エロシーンはまだかね?


643 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:21:07.48 ID:pj8/V5c90
これは続編希望」だな

ひさしぶりに面白いSSだった。乙!!


644 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:21:11.14 ID:fNXhvYIy0
やっと投下終わったぜーフゥハハハー
支援してくれた人、保守してくれた人、読んでくれた人全てに感謝

童貞にエロシーンなんか書けるはずなかったんや!


645 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:22:20.05 ID:qjk4kN7Q0
さすが童貞


647 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:22:29.94 ID:zJ5uuZQs0
童貞なら仕方ない


648 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:23:02.00 ID:pj8/V5c90
>>644
いや、書かないからこそよかったぞ


652 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:25:38.94 ID:UgANnxkm0
ちょっと俺も好きな娘ストーキンg・・・もとい研究してくる


653 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:26:45.86 ID:GSXvTDL+0
よかったな
踏まれたい・・・愛のある踏みが叶ったじゃないか
( ;∀;)イイハナシダナー


656 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:30:07.47 ID:q6a1pdwc0
面白かったわああああああああああ


657 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:30:22.72 ID:V7QzBkRj0
稀に見る良作


658 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:31:22.38 ID:/0XDsKCF0
>>1に感謝を述べざるを得ない



659 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:31:33.85 ID:H+1zJHuP0

久々にいいもの見させてもらった


660 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:31:59.47 ID:cksmbNGx0
すごくおもしろかった乙


661 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:33:09.54 ID:qNbX0sff0
いい作品だった!
他にSS書いたことあるみたいだけどできればタイトルおしえてくれ


662 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:34:37.79 ID:ecAmSaBm0
>>1乙
素晴らしかった


670 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:49:14.31 ID:fNXhvYIy0
この後
焼きリンゴ食べて仲直り。続編書かないけど


予定では、スレ立ててさる無効時間に70投下、
その後支援もなく20時間以上一人でもそもそ続けてひっそり落ちる予定だったんだけど
その期待をものすごい勢いで裏切られたよ。マジサンクス
今回もbadエンドにするつもりだったけどhappyにしてよかった


671 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:51:03.81 ID:wuUE3+uf0
>続編書かないけど
>続編書かないけど
>続編書かないけど
>続編書かないけど
>続編書かないけど

Say it ain't so, Joe!


673 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 19:56:35.66 ID:Dd7JTLtl0
>>670
気になってるのそこじゃないけど騎士団云々とか何も問題なく

最終的に二人は仲良く暮らしました めでたしめでたし

でいいんだな!遊歴?とか言う期限の伏線が回収されず怖かったけどこの後も幸せなんだな!?


675 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:02:41.83 ID:fNXhvYIy0
>>673
なあなあエンドにしたのは各自の想像に任せるためだぜい


676 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:05:13.33 ID:Dd7JTLtl0
>>675
じゃあ自分の思うエンドにしておく、律儀に答えてくださりありがとう

改めてお疲れ様でした


677 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:05:51.87 ID:mUL+kcil0
>>675
続きはそれぞれの想像でってことか

まぁ、俺としては騎士団をほっとけるような女騎士ちゃんじゃないし
女騎士ちゃんをほっとけるようなボサ男でもないから
ボサ男は女騎士ちゃんの推薦で騎士団に入って守り続けるようなのを妄想しておくよ

女騎士の傍らに隻眼の戦士と隻腕の戦士
そしてそれを慕う部下達


680 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2010/09/15(水) 20:09:12.45 ID:RWDnsiS9P
乙でした!
俺の中では最近のssで1番面白かったよ!



女旅人「なにやら視線を感じる」おしまい
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損切り